セカチュー
今さらながらだけど先日、セカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)のドラマ版を見た。話の中にAUSが出てくるということで、業界内では早くから話題になっていたけれど、以前小説を読んでみた時、あんまり共感できなかった。メディアによるとこのお話に感動する人は圧倒的に10代の若者だそう。実際、私の周辺の20代以上の人の間では、「そんなにいいか~?」の反応が多い。もちろん私もその一人だったんで、ドラマ版もほとんど期待しないで見始めた。物語の中盤までは予想通り、まったくつまらなく自分の中ではかなり低ランクに格付け。見始めたけどすぐ飽きちゃって、DVDはついてるけどまったく見てない状況。私、ドラマとか映画の趣味にかなり偏りがあって、こういう視聴者を「泣かそう、泣かそう」とするものにかなり嫌悪感がある。 そういや私、純愛ものってスキじゃないんだよね。 ←ダメじゃん、このドラマ。恋愛がらみでも不倫とか三角関係とか人間関係めちゃくちゃのドロドロしたのはスキ。もちろんドラマとか映画の中だけだけど。あ~、私ホントおばさんだわ。 まさに他人の不幸は蜜の味って感じよね。(笑)だけど主人公の女の子が、役のために髪の毛を剃ったあたりから、「お~、この子意外に女優魂あるじゃーん!」とちょっと見直した。 演技力はたいしたことがないように思うけど根性あるのかもって思った。こういう役だとイメージがついちゃうし、髪の毛剃るってアイドルにとってはかなりタブーだと思うし、その後、しばらく他の仕事も出来なそうだから事務所側も渋るかも、って思うんだけどさ。だってグラビアとかまず無理でしょ? そういう点ではかなり心意気があるのかも。ストーリー自体は既に小説を読んでいたのでわかっていたけれど、ドラマ版では大きくなった朔太郎役に緒方直人が出ていたのがよかった。 この人、緒方拳の息子とは思えないほど「いい人」っていうイメージ。昔から現実的で冷めてる子供だったので、ドラマや映画では「どうせ作り話でしょ?」と絶対泣かなかったのに、20を過ぎてから妙に涙腺がゆるくなって今では製作者の罠にまんまとはまることが多い。ドキュメンタリーものは弱いけどね、24時間TVとか。最初はあんなに興味なかったのに、不覚にも中盤過ぎあたりからちょっとウルウルする場面も出てきたけれど、私の中では「泣けるドラマ=いいドラマ」ではないのでやっぱりドラマとしてはイマイチかな。オーストラリアの映像はまったく期待はずれくらいしか映らなかった。 Sydneyも Mrs. Macquarie's Point がちょっとだけ。あと台詞でも「Uluru」と言っていたからみんな勘違いしているようだけど、Ayers Rockの映像映ったっけ?撮影された場所はKings Canyonで、通常ならば危険地域なので一般の立ち入りはできないとこ。業界に携わるものとして見ておいたほうがいいドラマであったとは思うけどもう1度見たいものではない。将来、観光局で働きたいと思っているのでストーリーそのものよりも、このドラマがオーストラリアの観光業界へ与えた影響, 経済効果 とかのほうが気になる。たしかにドラマを見て、「ウルルに行きたい!」 というお客様は増えているらしいけど、まだあれがオーストラリアにある、ということを知らないお客さんも多いようだ。 著作権の絡みもあるのでドラマ名を全面に押し出すことはできないけど、個人的にはそんなものに頼らなくても素材そのもので充分勝負できる、期待を裏切らない場所であると思っている。もっともっとオーストラリアのいいシーンをたくさん放映して欲しかったなぁ。最後のテロップののところに「協力:カンタス航空、オーストラリア観光局、ノーザンテリトリー政府観光局」なんて入ってたけど、いつか私もこういう仕事をしたい。もっとオーストラリアのよさを日本のお客様にも知ってもらいたいなぁ、と日々精進いたします。