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テーマ:仕事しごとシゴト(23733)
カテゴリ:日々の生活でしあわせ
たまには、マジメに仕事のお話を。
最近、ヒット商品等の開発を行なっている企業の社員の方へ取材をする機会が多いのですが、先日は大手企業でギターを開発し大ヒットさせた方の話を聞きました。 キャラがむちゃくちゃ強烈で、例えるなら博士のような雰囲気のあるおもしろい50代の男性でした。スーツを着て、身なりもきちんとしてるのに(でも髪の毛はなぜかボサボサ)、どこかとぼけた感じのする方でした。 入社以来ン十年と開発畑でギターの設計や開発に従事し、他にも、音の空間デザインを手がけたり、音楽イベントの企画を手がけたり、様々なことを経験したようです。 一貫してあるのが、ギターが好き!!!!!という情熱。これが並々ならぬ気迫があって、こちらにもバシバシ伝わるわけです。 ある商品を開発したときのこと。 彼は、同時期からドイツに数年間派遣され、著名人の販促活動を任されたそうです。プロのギタリストに「オレの作ったギターを使ってくれ」とお願いする仕事です。 彼は、アポなし突撃状態で、自分の開発したギター片手にブラジリアン・ギターの至宝である「バーデン・パウエル」や、天才フラメンコ・ギタリストと言われる「パコ・デ・ルシア」への接触を試み、見事成功。「周囲のガードは鉄壁のようにむちゃくちゃ固かった」が、当人達はフランクに接してくれたそう。両者は彼の開発したギターを気に入り、コンサートでも使うようになり、当然社内の販促にも一役買うことになりました。 こんなふうに、熱意やパワーがすごいのです。 ま、もちろん、いい時ばかりではないようで「こんなこと大声でいえませんけどね、もし売れなかったら、どの部署に飛ばされるか分かったもんじゃない。しがない一社員ですから、ハハ」と笑ってました(笑) でも、後日、その企業の自社サイトを見たら、彼が開発者としてインタビューを受けており、その最後に「もし売れなかったらどこに飛ばされてたかわかったもんじゃない(笑)」という記述がありました。……ステキな企業です(笑)。 彼の話は続きます。人差し指を顔の前に立て、シーーーーーーーーーーーーーーーーーーッと言った後、 「こんなこと大声で言えませんけどね、アジア圏に飛ばされたことがあるんです。その悔しさをここぞとばかりに『さすらいの戦士』という自作の曲にしたため、ギター持って海に行ってね、風に吹かれ孤独を感じながら、ワーーーって大声で歌ったんですよ!」 こんな感じの賑やかな方でしたが、後日、広報の方とやりとりを重ねるうちに、ああやっぱりなあと実感することがありました。 広報の方は「自社の者を誉めるのは広報として失格」と前置きした上で、こんな主旨のメールをくれました。 「彼は、弊社で数百人いる開発者のなかでも、自分の開発している製品だけでなく、それを取り巻く音楽や市場の人(演奏家、販売店店員、ユーザー……)に深い愛情を持ち、熱意で接している1人だと思っています。彼同様、もう1人、同様の考えで製品を開発している者がおり、両者が弊社の双璧を成しています。この2人の開発した各ギターが、弊社の近年5年間の最も大きなヒット商品になったのは、単なる偶然ではないと思っています」 む…。広報の方のこの言葉は実感がこもっていて、久々にものすごく感動しました。 ■「四つ葉のフクロウ」トップページへ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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