テーマ:最近観た映画。(40092)
カテゴリ:映画
久々に好みの映画に出会いました。
ウルグアイ発のヒューマン・コメディ映画「ウィスキー」。 各国の映画祭で評価された映画らしいです。 <ストーリー> ウルグアイの町、父親から譲り受けた小さな靴下工場を細々と経営するハコボ 。 毎朝決まった時間に工場へ行き、シャッターを開ける。 その工場で働く控えめでまじめな中年女性マルタ。 長年仕事をしていても、必要以上の会話を交わすことのなかった二人。 そこに1年前に亡くなったハコボの母親の墓石建立式のため、ブラジルで同じく靴下工場を営む彼の弟・エルマンが来ることになる。 ハコボは弟が滞在する間、マルタに夫婦のふりをしてほしいと頼む。 意外にもその申し出をすんなり受け入れるマルタ。 そして偽装夫婦の準備をはじめる二人。 結婚指輪をはめ、一緒に写真を撮りに行き、部屋も片付けて。 そしてエルマンがウルグアイにやって来た。 いかにもブラジル人らしく陽気なエルマンと、微妙な夫婦を演じ続けるハコボとマルタ。 一緒の時間を過ごすうちに、初めてそれぞれのことを知りはじめる3人に 訪れる結末とは…。 タイトルになっている“ウィスキー”は、日本で言う“はい、チーズ”という写真を撮る時の台詞です。 陽気なエルマンは別として、ほとんど無表情(どちらかというとむっつりしてる感じ)のハコボとマルタが、この台詞で写真を撮る時だけは作り笑いをするのが妙におかしい。 妻役と頼むハコボと、それを頼まれて実はまんざらでもない様子のマルタ。 それまで、ただのおとなしい従業員の一人としか思っていなかった マルタが、意外に妻役をうまくこなす様子に 微妙に心が揺れつつも、頑固に演技を続けるハコボ。 陽気で優しいエルマンと過ごすうちに、見えてくるマルタの女性の部分。 劇的な展開はない映画ですが、 ある程度年を老って、それぞれが自分なりの生活を作っている男女が 繰り広げる物語には、それなりの味が出てくるものだと感じさせます。 映画の批評では、ジム・ジャームッシュとかアナ・カウリスマキ監督作品なんかが感想であがっていましたが、 私的には小津監督作品なんかにも似たような雰囲気を感じました。 女性的には、ここまで面倒を見てくれるマルタを 今までと同じように一従業員として扱おうとする ハコボの意気地の無さと頑固さに憤りを感じてしまったのですが そこは、マルタがやってくれます。 やっぱり女性の方が潔いのかも。 ウルグアイって、ブラジルとアルゼンチンの間にある小さい国で 映画産業もそれほどでもなく、年間60本位しか映画が作られない国らしいです。 そんな国で、若い監督二人が作ったのがこの作品らしいのですが、 独自の視点と、うまさがあれば、いい作品が作れるんだなぁと感心しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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