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18日(金),アフター5にふと思い立って出光美術館に立ち寄り,「肉筆浮世絵のすべて」展を鑑賞する。
おおむね菱川師宣から葛飾北斎までという流れの中で,美人図を中心とした華やかな作品が多く,目を楽しませてくれる。 美人たちのポーズは,ある程度パターン化されていて,褄を取る手が異様に小さかったり,着物の裾からつま先がチラリと見えたりという状況は多くの作品に共通している。それでも線の強さや太さ,身体のバランスなどに,かなり絵師の個性が出ることを実感する。 個人的には,女性のふくよかさを感じさせる宮川長春の作品などがよかった。 着物の柄の緻密さ繊細さは,会場でも指摘されていたが,現代から見ても大胆かつ斬新なデザインも多い。 胸元を緩めて涼を取る姿に限らず,美人たちはいずれも艶っぽく魅力的である。 以下は,少々ネタバレ的になる。 また,構図や表現が面白いものもかなりあった。巷で人気を博した「笠森おせん」の表情は何とも言えないお侠な感じに描かれているし,初公開という北斎の「樵夫図」は画面からはみ出すほどまっすぐに高くのびた樹木とそれをいわゆる股覗きスタイルで見ている樵夫という取り合わせに思わずニヤリとさせられるし,同じく初公開の「亀と蟹図」の構図と緻密な描写のテクニックには,さすが北斎と唸らされる。 現在の展示は27日(日)まで,大幅に展示替えが行われて後期が30日(水)から7月1日(日)まで開催される予定であるので,後期も是非観てみたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月21日 23時02分11秒
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