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カテゴリ:行ってきました
書店に行くつもりで訪れた丸の内,地下鉄の改札を出た所のあちらこちらに貼られたポスターで,丸ビルに「本物」のモアイ像が来ていることを思い出し,立ち寄ることにする。 東京駅側から広場へ出ると,ほぼこちらを向いた形でモアイ像が立っていた。 確かに大きな石像ではあるが,もっと背の高い物であろうと勝手な想像をしていたので,何だか可愛らしく感じられる。 正面から眺めると,何と言っても黒い瞳に,珊瑚をはめ込んで作られた真っ白な白目の先端が顔からはみ出さんばかりの大きな眼に引きつけられる。眼の上には,出っ張ってはいるものの極めて狭い額,そして両眼の間には鼻筋の通った大きな鼻がくっきりと表情を作っているのだが,口については,鼻の下に緩やかな弧を描く膨らみがうっすらとあるだけで判然としない。 太い首の下には,顔に比して小さめの胴があるが足は見えない。肩だか胸だかわからない膨らみの他にはぷっくりとしたお腹に大きな臍だけが目立つ。その臍の下に大きな掌が指をきれいに伸ばした形で行儀良く添えられている。 横へ回ると高い鼻と大きな耳が目立つ。が,シャープな顎のラインと,長い腕もなかなか美しい。 ところが,後ろへ回って驚いた。モアイ像の背中には一面に細かな模様が刻まれ,陰陽を表すかのように向かって右側は白く,左側は黒く塗り分けられている。テレビで何度か見たモアイ像だが,これまでその背中を意識して見たことはなかったかもしれない。それにしてもこれほどの細工がなされているとは予想もしないことだった。その模様が何を意味しているのかわからなかったが,多くのことを物語っているように感じられる。 ただ,残念だったのは,今回展示されているモアイ像には歴史がないということだ。確かにイースター島で,現地の人によって,その島の石に刻まれ,マナ(霊力)まで与えられたものであることには偽りはなく,その点では「本物」と言って間違いではないのかもしれない。しかし,わざわざ「本物」と言うとき,我々素人がイメージするものは,はるか昔に先住民たちが刻んだものであって,わずか数年前に意図的に作られたものではないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月13日 23時43分08秒
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