ETV特集 斜陽への旅 太宰治と大田静子の真実
録画しておいたETV特集「斜陽への旅 太宰治と大田静子の真実」を見ました。「心映えの記」を途中までしか読んでいないので、もう一度読み直さないと、と思いました。大田治子さんが、お二人が「斜陽」完成までにどのような軌跡を経たのか、という本を書かれているようで、その内容を映像で放映しているような感じでした。だいぶはっしょってるんじゃないかとは思いますが・・「斜陽」については、本当の貴族社会を知らない者が書いた作品なので、言葉遣いなどがおかしいという方もいるようですが、あれはあれで充分だったのではないかと思います。大田静子さんも、太宰治さんも地方の素封家の出ですから、貴族とまでは言えません。津軽での弟子の方が出演されて「斜陽」は津島家の没落を書いたものだと思っていたので、中身を読んで驚いたと言っていました。津島家の没落も読んでみたい気がしますが、10代で津軽を出ていた太宰には、無理だったのかもしれないですね。大田静子さんがいなければ「斜陽」は誕生することはなく、番組で大田治子さんも言っていましたが、「治子さんは斜陽が世の中に生まれ出るために誕生したんだ」と私も感じました。治子さんは、そのように言われるのはイヤだったと言っていましたが・・子供が出来てからの太宰のそっけなさは気の毒で、「斜陽」を書くために静子さんを利用したんじゃないかと思ってしまいます。太宰治と大田静子の間で交わされた5通の手紙について、始めて公開されたとのことですが、2人のやりとりが生々しく、言葉のやりとりについて東大の先生が解説をしていましたが、2人の間で起きたことを他人が解説するというのもなあと・・確か、太田治子さんもシングルマザーだったと思いますが、そういうのって遺伝するんでしょうかね。太宰治は亡くなった祖母と同じ年なんですが、そう考えると凄く身近に感じます。生誕100周年だし、昔読んだ本もいろいろ読んでみようかな。心映えの記改版