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Dec 23, 2010
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カテゴリ:旅とおでかけ
「小田原城趾公園の植栽を考える」という講演会に行って来ました。城趾公園の木々については市が立てた伐採計画があまりにも乱暴(伐採する本数が多かったらしい)で、市民の反発があり、しかも先日テレビで「全ての木を伐採する」と誤った内容が放送されたために騒動が大きくなってしまった経緯があります。

イナバの白チワワ

「全ての木を伐採」というのは完全に間違いだったようですが、とにかく邪魔な木は全部伐採、という計画だったみたいで、当たらずとも遠からず、のようです(でもテレビで放送するんだったら正確な内容を放送するべき)。

友人が関わっている関係で、今日の講演会に誘われました。市の伐採計画の詳細はよく知らなかったのですが、東京の椿山荘や横浜の三渓園の造園に関わった先生の講演会ということで、お庭(庭園)づくりについての話が聞けるかなぁと思って行ってみました。講演した鈴木崇さんは「史跡小田原城跡調査・整備委員会の植栽専門部会」のメンバーです。

歴史的建築物や、遺構などにも造詣が深く、歴史、風土を含めて、小田原という土地にある小田原城趾公園全体の整備の方向性について、具体的に写真などを示しながらご自身のお考えを述べておられました。椿山荘などの例をあげて、木々をどういう意図でどのように手を入れるか、あるいは伐採するか、または新たに植えるのか、とてもわかりやすく興味深い内容でした。

小田原市の計画では、遠くから近くから、お城の全景がよく見えるように邪魔になる木は全部切る、というものだったようなのですが、そうではなくて、どの方向から見たときに美しく見えるようにするのかを考えて周りの木々を整え、他の方向から見たときには多少隠れるようになってもそれがまた風情になる、というようなお話でした。

そして、人々が木陰に憩う場であったり、年月を経た松の木々を見ながら歴史を感じたりするような公園作りを提言されていました。

また、当初の小田原市の計画では伐採されるはずだった巨木は公園の中から見たときに外側のビルなどが見えないように目隠しの役割をしているのでとても重要、とのこと。この木々は隣接する学校側からすると観光客などの目から校内が見えないような役割もあり、双方にとって重要なものだとの共通認識が得られたことも収穫ではなかったかと思います。学校側は市のほうに要望書を出していたようなので、これで伐採されないことになればほっと胸をなで下ろすことでしょう。

それにしても、むやみな伐採は乱暴だとはわかってはいても、ではどのように整備したらいいのか、歴史的建造物と遺構に沿って復元した建造物、またはこれから復元されたり発掘されたりするものとの共生はできるのか、普通の人には荷が重すぎる課題です。個人の小さな家の庭と違いますから、史跡の保護やお城を含めた景観全体を考えた手入れというのは、一般の植木職人さんや造園業の方にも無理でしょう。

そう考えると、今回、その道のプロといえる方が専門部会のメンバーに入ったというのはよいことだと思います。なんというか、史跡整備の目指す方向性のようなものが示されたのではないかという気がしました。

成長しきった木々を持て余してしまった市側も、乱暴な伐採に反対の立場の市民の側も、双方が納得できる内容だったと思います。…が、予算がそんなにあるわけでもないでしょうから、どこまで理想の形に近づけるのか、それはまだわからないようです。

まぁ、それにしても、いままでは小田原市はどういう方向性を持って城趾公園の植栽の手入れをしていたのでしょう。邪魔な木は切っちゃえ、なんていうのは、風情や趣きのある公園として整備する気がない証拠のようにも思えました。歴史的なモノを復元してゆくのももちろん大事ですが、もっと人々が心安らぐ場、憩いの場、いにしえの歴史に思いを馳せることのできる場としての公園作りを目指していってもらいたいものです。そういう公園になれば、地元の人はもちろん、観光客のリピーターも増えてゆくのではないかと思います。

さて、我が家のチワワの小太郎さん。イボ取り手術の傷跡はほとんど目立たなくなりましたが、まだ剃られた毛が生え揃いません。赤剥けて見えるので、父には「因幡の白ウサギ」と言われています。もともと毛が短いし、大きさもウサギサイズなので似たようなものですけども。来年は兎年ですし、このままウサギでもいいか。


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最終更新日  Dec 23, 2010 09:27:23 PM
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