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Dec 24, 2010
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カテゴリ:旅とおでかけ
クリスマスイブなのにこんな話題でアレですが…、昨日の「小田原城趾公園の植栽を考える」講演会を踏まえて、現地を見てきました。手入れがされる前の状態を見ておきたかったというのもあります。小田原市役所のサイトに載っている「史跡小田原城跡本丸・二の丸植栽管理計画」の植栽図、航空写真とも比較すると分かり易いと思います。航空写真を見ると、公園内の緑が豊かなのがよくわかります。が、雑然としている印象なのも確か。

お城が見え隠れ

講演会では、お城が樹木によって見えなくなっている場所というのが指摘されていましたが、たしかに、ここから見えたらいいだろうな、という場所から見えなくなっています。写真に矢印で示したところに、お城があります。

学び橋からの景観では、樹木だけでなく人工物である街灯が見事にお城にかぶってます。ひどすぎるっ。いままで景観についてまったく考えられてなかったことがよくわかります。(「史跡小田原城跡本丸・二の丸植栽管理計画」資料:ビューポイント3番)

ついでに言うと、お城の前の広場にある風情もへったくれもない真っ青なベンチもなんとかして欲しいものです。樹木伐採の前にやるべきことがあるんじゃないかしらねぇ。(ビューポイント6番)

菖蒲園については、「菖蒲畑」のようになってしまっていると指摘されていましたが、やっぱり、菖蒲が映えるような植え方というものがあるのですよね。ここはもともとは動物園の水鳥の池だったので、その池をもっと活かした菖蒲園づくりがされてもよかったのかもしれません。今後の整備に期待。同じ小田原市の施設であるフラワーガーデンの花菖蒲はもっと趣きがあります(城趾公園よりはマシ、という程度かもしれないけども)。ノウハウはあるのだからどんどん取り入れていくべき。

馬出門を写真に撮ろうと思うと向こう側の高層マンションが邪魔。これも目隠しの樹木があればいい撮影スポットになるのになぁ。

お城が見えない

「史跡小田原城跡本丸・二の丸植栽管理計画」では「伐採並びに相当な枝下しが必要」とされている、駐車場横の木々。向こう側には学校があるのですが、見事に目隠し効果があります。これはやはり残すべきでは…。(ビューポイント4番の逆から見た景観)

しかし計画の内容を読むと、木の根によってその下にある遺構が壊されてしまうという伐採理由もあり、そのあたりの駆け引きも難しいものがあるかもしれません。遺構も歴史的資料として貴重ですし、観光資源としても後の世代に引き継いでいく価値のあるものだと思います。場合によっては、学校などの施設の移転も視野に入ってくるのかも。

この木々はお城側から見たときに市街地の風景が見えなくなる目隠し効果もあるので、そういう意味でも残しておきたい木々ではあるのですが…。

お城の前の広場の松は、遠くから見ると松っぽくないです。もっと枝を空いて松の威風を出せば、お城との対比で見応えが出そう。完全に伐採してしまうとこの広場の木陰がなくなってしまって落ち着かなくなりそうです。(ビューポイント2番、6番)

昨日の講演会では、ビューポイント7番の銅門ごしに見える小田原城については、城が見えなくても銅門だけで見応えがあるのでは、ということでした。

それよりも、小田原駅からお城を見たとき(ビューポイント4番)に、お城の手前に消費者金融のでっかい看板が見えるのをなんとかして欲しいです。かなりマイナスポイント。がっくり。

植栽管理計画の文書のなかに「局部的に何らかの目的で植樹、植栽がされてきた様子は随所に認められるものの、全体としては、特定の整備方針や計画のもとに植栽が施された形跡は希薄である。」という一文もありましたが、植栽だけでなく小田原市の史跡管理全体として、大きなビジョンのようなものが感じられないです。史跡管理というか、都市計画というかまちづくりというか。

個人的には、風情のある景観を作って欲しい。なにも城下町の風情ばかりでなくても、昭和の風情の残る通りもあるし、武家屋敷の風情の残る場所もあるし、平成の商店街の風情というのもあるでしょう。それぞれの場所のそれぞれの風情を大事にしたまちづくりをして欲しいです。

今の小田原の駅周辺の街並みは、雑然、混沌としていてどうも落ち着かない。そういうものが好きな人もいるだろうけど、もうちょっと落ち着いた趣きのある街であって欲しいです。

あとは、やはりバリアフリー。せっかく平坦な土地なのだから、車椅子や足腰の弱い方々でも歩きやすいような道路にして、ついでに自転車レーンも整備すればレンタル自転車での観光ももっと広まりそう。

史跡の整備も必要ですが、同時に人々が安らげるような、もう一度来たいと思うような街づくりにも取り組んで行って欲しいです。漠然としているかもしれないけれど、みんながビジョンを共有できれば、自然とそういう街になっていくのではないかな。そのビジョンが今はまだ明確ではないのかも。

議論半ばの新しい市民ホールにしても、小田原という街にふさわしい施設とはなにか、今回の植栽についての講演のように、具体的で明確なビジョンを示してくれるような方がいれば、もっとスムーズにことが運ぶような気もします。

大勢の人が共通認識を持つというのはなかなか難しいことではありますが、後世にいいものを残そう、にぎわいのある街をつくろう、歴史と文化と風土を大事にしよう、という思いは共通しているんじゃないかな。ぜひとも前向きに進めていってもらいたいものです。


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最終更新日  Dec 25, 2010 08:57:00 AM
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