獣の奏者 完結編
獣の奏者(4(完結編))価格:1,680円(税込、送料別) 「探究編」を、実は夏休みに読んでいたのだが、 「完結編」を読んでから、書こうと思っていたのだった。 長い物語が完結した、と思ったら、最近「外伝」まで出たそうで。 エリンがずっと欲していたことは「知ること」だった。 とにかく、「知ること」によって いろいろなことの対策も、もしかしたら得られるかも、と思っていたのだった。 そのことが、最後に近づいて「残った人々」と呼ばれる人々が話すことと一致する。 彼らが「あの時話していれば」と言ったことを、もしエリンが知っていれば、 エリンは違った道をたどることができただろうと思う。 もしも、戦になるまでの期間がもっとあって、闘蛇の毒についてなどを エリンが調べる時間があったとしても、それらが絡み合って起きる現象についてまでは 思いつくこともできないだろう。 良かれと思ったことが、逆効果になることもある。 知りたがりだけれど、命は大切に思っているエリンなのだ。 知っていれば‥‥‥ けれど、世間の情勢が、「闘わない」ことを許さなかったか。 なんてことを、考えさせられてしまう話なのだった。 群れで生きる「ヒト」は、群れの動きに流されてしまうこともあるのだ。 結びは‥‥まぁそんなふうに終わるしかないんだろうなという感じだった。 王獣と闘蛇が闘うことによってわかること、 そこに、今までの伝統の持つ意味が隠されているのだった。