打つ手なし
先日,旧知のエコノミスト?たちと食事をしました。一人はアメリカ人,もう一人はイギリス人で,ともに大手の金融機関に勤務しています。 話題はサブプライム(低信用者向け高金利型)住宅ローン問題の行方に集中しました。二人とも「これまではまだ序章にすぎない。問題が深刻化するのはこれからだ」と話しています。 世界最大の保険会社AIGが,昨年第4四半期の損失額が89年の歴史のなかで最大の101億ドル(約1兆1,600億円)に達したと発表した。今後さらに損失がふくらむ可能性を認めました。 一方,アメリカ証券大手ゴールドマン・サックスは,金融機関のサブプライム関連の損失が4,000億ドル(約42兆円)にのぼるとの見通しを明らかにしています。欧州最大の金融グループUBSは,これよりさらに大きい6,000億ドル(約63兆円)以上と推計しています。 すでに公表された損失処理額は1,800億ドルですから,まだ道なかばにも達していないことになります。 日本も経済指数の一部にすでに影響が現れはじめていますが,顕在化してくるのはこれからです。しかし,福田康夫政権にはまったく打つ手がありません。「改革派」(成長派)は市場の反乱で沈黙し,「増税派」も景気減速では動けないからです。 ところが,その間隙を突いて,公共事業のバラマキを得意とする「復古派」が台頭してきました。 福田康夫首相の実父,福田赳夫元首相は,道路やダムなどの公共事業の大盤振る舞いで大量の国債を発行し,今日の財政危機の原因をつくりました。現首相も無駄な道路をつくり続けるしか能がないようです。 「結局,小泉改革は『偽』改革だった。自民党は日本が破綻するまで変わらない」 これが,二人のエコノミストの結論です。↑更新が遅れておりますが,宜しければ「応援クリック」をお願いします