カテゴリ:社会システムについて
出演者:九州国際大学 客員教授 次世代システム研究所 所長 岡本 久人先生 テーマ:次世代システムー現代文明を生物という視点で評価してみると。 (エコノミー アズ エコロジー) ●本当に豊かな生活 最初の曲は、岡本先生の作曲による「Romanza di Roma」 これは、岡本先生がローマ滞在時代、古いリトアニアの時代の壁画を見て、これはワルツに違いないと直感し、その湧いてくるイメージで作曲したもの。 音楽と舞いを楽しむ、豊かな、古代のスローライフが彷彿してきます。 先生は言います「GDPや賃金の高さと、人生の本当の豊かさは、全然関係ない。」 ●人類を生物という視点で観ると 岡本先生は、生物の定量調査の専門家です。 その視点で、人類を観てみると、 例えば、島があって、そこにいろんな植物、生物が住んでいるとすると、その島の面積から、鹿の生息できる頭数の限度が決まってきます。 それ以上増えると、食料が足りなくなり、死んでしまいます。 人類も同じです。 地球も、島のモデルと同じで、そこには、食料の限界があり、従って住める人類の数の限界もあります。 それが、今、人類が異常繁殖しています。 恐ろしいことになっています。 かつてロ-マクラブが35億が人類生息の限界と言ったいましたが、とうに突破し、67億になり、やがて、このままでは90億、100億となるでしょう。 地球の資源は有限であることに気づかなければなりません。 今、人類文明が危ない。 しかも、この増殖の仕方が、急激で、指数的変化をしています。 よく、ネズミ等が、異常繁殖して一気に死んでしまうモデルと同じ、ラインを突っ走っています。非常に、危ない状況です。 ●この危機への対策 今まで、人類も、人口の増加に対して、他の動物と同じように、戦争という手段で、人口調整を行ってきました。 しかし、核兵器をふんだんにもったしまった今、今度、世界戦争をやると、とんでもないことになってしまいます。 平和に、対策をとるべきです。 そこで、ストック型社会という提言をしてきました。 ●ストック型社会 それは、使っているものを、1年に1回消費するところを、2年間使うと、消費は半分になります。 そんなしくみです。 資源と環境によいだけでなく、生活も逆に豊かになります。誰もが奴隷のようにガツガツ働かされなくてよくなります。 特に、消費で大きいのは家です。 日本のサラリーマンは、人生の収入の非常に大きな割合を、住宅ローンにもっていかれます。そのために、あくせく働かざるを得ません。 しかし、これは、他の国も同じというわけではありません。 日本の最近の住宅は、寿命が30年です。 他のヨーロッパ等の先進国は、150年の寿命の家に住んでいます。 家具も、その他の備品も、はたまた、街も道路も、全て同じ傾向になります。 戦後の日本は、作っては壊し、作っては壊し、・・・・・ 賃金が外国に比べて高いようでも、毎世代、家を建てていては、苦しいはずです。 そして、実際は、ヨーロッパ等に比べると、実に苦しい生活に陥っているのです。 賃金の高さよりも、消費の方が高くなってしまっているのです。 ●200年住宅 住宅を200年住めるものにしようということを長年提言してきて、昨年、ようやく政府に認められ、200年住宅法という法律が制定されました。今年の6月4日に施行になります。 家だけではありません。街も、農業も、社会全体をストック型に変革していこうというものです。 北九州市は、環境モデル都市に選ばれ、全国に先駆け、そのモデル地区ができます。 東田(八幡)と城野(南区)にできます。 これから、グチャグチャになっている街を20年30年かけて、ストック型の美しく、豊かな街に作り変えていくかの挑戦の始まりです。 ●お金の問題 では、それをどうおやってやっていくかとなると、お金の問題になります。 しかし、実はお金はふんだんにあります。 全国の国民の預金が、今は、アメリカや中国、インドに行き、その国作り、消費の資金になってしまっています。 他の国作りの資金にするよりも、それを、こちらの国作りに回せばいいのですが、そのためにも、作るものを投資魅力のあるもにすることが必要です。 日本のお金を日本の資産をしっかり作るために回そうという提案です。 ●これからの次の時代へのビジョン 日本だけではなく、アジア全体が、まるでアメリカに操られているかのうように、フロー型(消費型)の社会になっており、アングロサクソンのおいしい市場となっているといえます。 これから、無駄な消費を避け、しっかりしたそして美しく、豊かな社会を作っていかなくてはいけません。 これから、本当の未来を創っていくには、行政主導なんかではできない。 そして、いままでは、空間闘争をしていたといえます。国と国の資源のとりあい、市場のとりあい・・・・ それも、もう乗り越えなくてはならない時でしょう。 今後は、空間を越えて、時間軸で考えるべきです。 国を超えて、同じ世代が連帯し、同じ世代としての、地球と人類の未来を創っていくべく、古いものと闘っていく。 世界中の20代が繋がり、自分達の未来のために、古い浪費型社会を脱却すべく闘っていく。 例えば世界中の20代で、横がひとつになって政府を作ってはどうでしょう。そう提言したい。 これは、人間ににしかできない、他の動物にはできないことです。 そうしなければ、人類の未来はないと思います。ネズミの異常繁殖と同じ結果になってしますでしょう。 細分化が進みすぎ、全体が見れる人が少なくなりすぎています。 若い世代は、広い視野で物事を見て、その上で自分の専門をもってください。 次世代システム研究会 http://foss-stock.org/ (コーディネーター 吉岡) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月04日 13時30分26秒
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