お金をばらまいて格差を縮めればいいもんじゃない
たとえば、生活に窮していても、将来に希望が持てればいい。それは、1990年以前の日本がそうだった。将来に夢が持て、予測が容易だった。しかし、いまはそれがない。ただ、生活苦が続くだけ。だから格差が問題になっている。この本は、この希望が持てなくなった社会。そこにいたる社会の変遷を社会学者の立場で描いている。フリーター、ニートは、日本ではそうだが、世界的な社会構造変化によるものであることを解き明かしている。「再チャレンジ」なんて簡単な言葉で、片付けられない。それに、いまの政府は、お金をばらまくことしか考えていない。それで解決すると勘違いしている。格差問題は相当のエネルギーを使う問題だということ、御曹司首相にはわかっているのかな。