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カテゴリ:マスコミの悪影響
1970年代前半、テレビは馬鹿騒ぎをしていたように感じます。これまでのエントリーで「天才バカボン」「野球拳」「ゲバゲバ」について書いてみましたが、他にも低俗な番組がたくさんあったように思います。「どっきりカメラ」も人をだまして笑いを取るという点では、現在のTVにおけるいじりの手法(=子供たちのいじめの手法)につながっているように思います。最近では「リアクション」をどのように見せるかと言うことが芸人のうまさのように語られています。 そんな中、「8時だよ全員集合」(1969年~)によって、ドリフターズがどんどんと人気を高めていきます。 1973年あたりでしたでしょうか、タブーという音楽にあわせて、高視聴率番組として茶の間に流れる「8時だよ全員集合!」の中で、加藤茶がストリップをしていました。「ちょっとだけよ、あんたもすきねぇ」です。子供たちにはバカウケ、PTAからは大顰蹙を買ったこのギャグは、ある意味象徴的だったのではないかと思っています。 加藤茶は、1943年生まれで戦中生まれであるものの、団塊の世代と言っていいでしょう。1970年前半は団塊の世代が社会に登場し始めた時期でもあり、彼らがその上の世代の過激な層と結びついて、ガンガンと既成の路線を壊し始めた時期です。加藤茶のストリップを一般的に「タブー」と呼んでいて、その言葉はまさにタブーレス時代への突入を象徴していたのだと思います。 1974年には少年チャンピョンで「がきデカ」が始まります。「死刑!」「ずるむけあかちんこ」 などの言葉が大流行したのもタブーレス。この流れは「クレヨンしんちゃん」につながっています。 少年ジャンプの「ドーベルマン刑事」(1975年~)は、犯罪の手口が卑劣で、「高層ビルからパチンコ玉を大量に落とす」という脅迫をする回がありました。子供ながらに子供向け雑誌でこんな設定ありかなと思いました。劇場型犯罪の多発を予告するかのようでした。 テレビドラマ「傷だらけの天使」(1974年)も凄かったです。萩原健一と水谷豊の繰り広げるアナーキーとエロに影響を受けた当時の若い世代は多いはずです。ご多分に漏れず、私も影響されました。 「ウィークエンダー」(1975年~)も、 酷かったです。毎回挿入されるエログロ再現映像に、覗き見主義。エロに期待して親に隠れて見ていましたが、あまりの低俗さに、後味の悪い思いをしたのを覚えています。 書き上げだすときりがないですが、当時のマスメディアはいわゆる大衆の支持を受けているのをいいことに、どんどんとタブーを壊していきます。TVはゴールデンアワーを承知で、視聴率競争に勝つためならどんな手を使ってもよいとばかりに過激な番組を充ててきます。 しかしそれでもまだマスメディア全体を見ると、真面目な部分は保たれていたし、不真面目なTVや雑誌に対する健全な批判は行われていたし、PTAなどの団体も抗議活動をしていたのを子供ながらに記憶しています。1970年代は、そういった一定の歯止めをメディアが押し切る形で、タブーを犯し、モラルを踏みにじっていったという印象があります。
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Last updated
Aug 23, 2008 11:44:35 PM
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