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カテゴリ:BOOK
先日、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』の再放送で、
支倉常長が政宗によって派遣される場面と帰国する場面の両方を見る機会がありました。 学校で習った時は、 「支倉常長という伊達藩の侍が中心の遣欧使節団が政宗の命で欧州まで行った」 という一行で終わってしまう事柄でしたが、 行った先での苦労、帰ってきた後のことは全く知りませんでした。 ドラマで見ていると丁度この時期に豊臣家は滅亡、 家康も亡くなりキリスト教弾圧も激しくなる一方。 航海も困難な時代に主命を帯びて渡欧、 さらに無事帰国を果たしても、 国禁に触れる重罪人でしかないという悲劇。 本書では、派遣団の目的、人選の背景にあった政宗の政治的配慮を推理し、 仙台ならび現地に遺された資料を基に使節団の当時の足跡を浮かび上がらせています。 あと、使節団一行が日本へ帰国した後、 異国の地に残る事を選んだ数名の日本人の存在に言及。 スペインのセビーリャ近くの小さな町に住む「ハポン」姓の人々は、 自ら彼らの子孫だと信じている事を客観的に検証しながら、歴史の糸を紡いでいます。 祖国を捨て異国で果てることを望むか、あくまで主命を果たすべく帰国するか、 自分だったらその場でどちらを選択するでしょうか。 ちょっと考えさせられました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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