今日、東京都知事選の告示が行われました。知らなかったのですが、東京都も含めて全国13都道県で4月8日に同時に知事選挙があるんですね。選挙も問題とかいろいろありますが、どこぞの国のように選挙がない国に比べれば、やっぱり健全さを感じてしまいます。
さて、今日は淡々と事務的な仕事をしていてあまりネタがないので、言語マニアネタからひとつ。昔学生のときに少々かじった「音声学」関係です。
日本語の「ん」という音は後に来る音によっていろいろな音に変わります。我々ネイティブな日本人が「ん」を発音するときには意識しませんが、外国人が習う場合には結構難しい部分です。
よく出てくる例としては、「案内(あんない)」の「ん」は[n]の音、「案外(あんがい)」の「ん」は[ng]の音、「あんぱん」の「ん」は[m]の音になります(語尾に「ん」が来る場合はさらに微妙な[N]という書き方をしたかと)。日本人が中国語を勉強する場合に苦手な発音として「an」と「ang」の区別が難しいことがよく言われます。一番一般的な日本語の「ん」の発音は[ng]([N]とも書くと思います)に近いので、全部これになってしまいます。ちなみに、中国でも上海人などは、上海語で[n]と[ng]を区別しないので普通話のこの区別は一般的に苦手です(最近の若い人はそうでもないでしょうが)。
「ん」はこの[n][ng][m]の音になる以外にもさらに「ん」の後に母音(あいうえお)が来る場合には別の音になります。このへんが音声学の真骨頂的部分です。例えば「南ア(なんあ)」「範囲(はんい)」「煙雨(えんう)」「便益(べんえき)」「嫌悪(けんお)」というときの「ん」は後に来る母音が鼻音化(フランス語に出てくる鼻にかかる母音)になったりします。一文字ずつはっきり発音するときはそうなりませんが、普通のスピードで発音するとちょっと音が前の例とは違うことがわかると思います。
あと、日本語の「ん」というのはこの音だけで一音節あるというのが特徴です。歌を歌ってみるとわかりますが、日本語では「ん」が一音符割り当てられるのが普通なので、「ん~」と伸ばすことができます。英語や中国語の[n]は母音が前後につかないと単独では発音できないので、一音符になることはありません。
などとマニアックなうんちくを語りましたが、つまらないですかね。すいませんでした・・・
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