久しぶりの言語マニアネタです。かなりマニアックかもしれませんので、わかりにくいかもしれません。あらかじめご了承ください。
英語の発音を中学生で習うとき、例えばLiveとLeaveは発音記号でそれぞれ[liv][li:v]と教えられます。この二つの発音の違いはあたかも単音と長音、「リブ」と「リーブ」のように教えられます。あまり複雑にしないために、[i][i:]と中学生・高校生向けにはこのように書いていると思われますが、そもそもこの二つの音の違いは長短の違いでなく、母音の音そのものが違います。専門的な発音記号だと前者は[I]と書き、発音は「イ」よりも「エ」に近い音になります。
例えばマイケル・ジャクソンの昔の歌で、「Beat It」というのがありますが、サビのところでは日本人の耳には普通「ビレー、ビレー」と聞こえます。決してitを「エット」と読むわけではないですが、前のBeatの「ビ」が日本語の「イ」とほぼ近い音なので、相対的にそれより口が広がっているitのiの音が「エ」に近く聞こえてしまいます。また、音符の長さがbeatの部分は短音符、itに長音符があてられているので、「ビート」より「イット」の方が長く発音されているためにすでに長短の違いはどこかに行ってしまっており、そもそも発音を長短で区別しているものではないことがわかります。
というようなことを前提にしつつ、最近の日本の歌などで、Babyを「ベイビー」でなく「ベイベー」と発音していたり、英語の歌でも「ベイベー」のように聞こえることがしばしばあります。Babyは発音記号では[beibi]となりますが、二重母音[bei]の[i]の部分は日本語の「イ」に近く発音されますが、語尾の方の[bi]はliveやitの[i]、「エ」に近い「イ」なので、それが並んだときに後の方の[i]がどうしても「エ」に近く聞こえて「ベイベー」のようになってしまいます。決してネイティブは「ベイベー」と発音しているわけではありません。アメリカの発音はこの傾向が顕著に思いますが、babyを[beibi:]のように発音する人もいますのでこの場合は[bei]の[i]と[bi:]の[i:]が同じ口の開きになり、普通に「ベイビー」と聞こえる場合もあります。
ちなみに[u]と[u:]の違いもしかりです。長短の違いでなく、そもそも母音が違います。初めて中学で英語を勉強したときにbookは「ブック」でなく、どうしても「ボック」に聞こえました。
というような分析を勝手にしているわけですが、もっとマニアな方がいらっしゃいましたら、是非ご教授くださいませ。。
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