久しぶりに言語マニアネタ。だいぶ前にも書きましたが、言語の音声にはかなり敏感なほうです。大学のときに少し「音声学」というのを学んだせいもあり、音声を聞くと発音記号が頭に浮かんだりします。
そんなマニアとして、前から気になっているのが歌の中で出てくる日本語の「を」の発音です。少し前に日曜日に放送されている「ミュージックフェア」で千何百回記念ということで昔の映像を時代順に振り返っていました。そこで出てくる歌手の発音を聞くと、自分が感じるところでは、昭和50年代半ばくらいまでは「を」は「o」と発音されていたように思います。会話で発音するときと同じ発音です。しかし、それ以降は大半の歌手は「を」を「wo」と発音するようになりました。現在の歌手はほとんど「wo」と発音していると思います。
この発音が変化するきっかけは、私個人の分析としては昭和50年代後半のアイドル全盛時代開始以降、特に松田聖子の時代(サザンオールスターズなんかもそうですね)あたりからではないかと思っています。松田聖子はそうではないですが、このころは歌が下手だったり、ろくにボイストレーニングや日本語の正しい発音の勉強をさせられることなしに、いきなりデビューしてしまったので、発音が適当な歌手が多かったように思います。でもそんなこととは関係なしにみんな人気が先行したので(私も同世代なので影響されましたが)、そのころに始まった「wo」の発音が定着したように思います。
少し話がそれますが、松田聖子のなんていう歌だったか「♪ジョーク並べて♪」の「ジョ」がまるで中国語の無気音のようになって「チョーク並べて」にどうしても聞こえて歌詞が意味不明と思ったことがあります。
最近の歌手は「を」だけでなく「お」も「wo」と発音する人が多いですね。その反対に演歌系の歌手(最近人気の黒人演歌歌手ジェロもそんな気がします)や海外で育った歌手(たとえばハワイ育ちの伊藤由奈などのほうが、一時代前の日本語なのか、ちゃんと「を」でも「o」と発音しているような気がします。
「を」以外に思うのは、「私が」の「が」のような「が行」の鼻濁音化。これも最近の歌手は鼻濁音化しない「g」で大半発音されています。「ng」で発音する人はとても少ないですね。個人的には鼻濁音化したほうがきれいに聞こえると思うのですが、会話ではそう発音できる人はまだ結構いるのに、歌になるとほとんどそうならないのが残念に思ったりします。
でも、松田聖子やサザンの歌は結構好きだったりします。歌うときはちゃんと「o」だったり鼻濁音化して歌いますけどね。。
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