相当マニアな言語(音声)ネタです。とてもつまらないと思いますのであらかじめ。
学生時代に音声学というのを勉強したとき、日本語の「無声母音」の存在が今でも結構印象に残っています。「無声母音」というのは、代表的な例でいうと、「・・・です」というときの語尾の「す」。ローマ字で書くと「SU」の「U」が口の形だけで無声になり、声の出ない母音になるというもの。ウ段やイ段でこの現象が起きることが多く、例えば「岸(苗字)」ではKISHIの「SHI」が無声化して「KISH」のように(「海岸」の意味での「岸」では「き」が無声化)、「くし(櫛)」ではKUSHIの「KU」が無音化して「KSHI」のようになります。ただし、これは東京中心の標準語の場合であり、関西方面ではこうなりません。「・・・です」は関東では「DES」のようになりますが、関西では「DESU」と「U」がはっきりと発音されるわけです。
この現象と関係するものとして、最近のJ-POPのような音楽では無声母音化している音符割りをしている曲も結構ありますね。例えば、「あなた」は三音節なので、必ず音符が3つ当てられるのが従来の符割りだと思います。思うに90年代前半くらいからのミスチルの歌ぐらいから、そうならなくなっている曲が相当増えています。ちょっと具体的な歌詞が思い出せないのですが、例えば「行く」という歌詞があるとすると、前ならば「IKU」で2音節なので、音符が2つ当てられるのが普通でしたが、無声母音化して「IK」だけになり、この場合音符は一つだけ。これで聞いた感じが英語のようになるテクニックのひとつなんだろうと思います。逆に字余りみたいで違和感を覚えるときもありますが。
大リーグの松坂投手の下の名前、ダイスケもローマ字ではDAISUKEですが、SUが無声母音になり、実際の日本語の発音はDAISKEとなるので、DICE-Kなどとニックネームがつけられるといったこともそのような例のひとつかもしれませんね。
などというマニアなネタでございました。。
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