さて、久し振りに最近読んだ本の話。このブログのトップページの下の方にリンクしている「国マニア」や「世界飛び地大全」とも通じるところがありますが、地図系、国系、歴史系、鉄系も兼ねる私としましては、この本は琴線にかなり触れました。
「時刻表世界史」という本です。戦前からの世界の鉄道・船・飛行機などの時刻表やパンフレット、地図などを駆使し、意外と昔から世界各地を結ぶ交通は進んでいたのだということを、数多くの例から具体的にそれらの状況を紹介する内容です。まだ途中までしか読んでいないですが、時刻表好き、世界史好き、国マニアにとっては関心することしきり。著者は私より10歳若い方ですが、よくここまで調べたものだと思います。
そして、こちらは近現代史についてたくさん執筆のある半藤一利氏の「昭和史・戦後編」。半藤氏の戦前の昭和史については、少し前に会社の同僚から借りて読みましたが、その続編のような内容で、半藤氏が講演したものをそのまま文章にしたような形でとても読みやすいです。単行本化したので、さらに手にしやすくなった感じ。前の戦前編を読んで思いましたが、あの戦争がいかにごく一部の責任ある人間が偏狭な考えで無責任にいろいろ決めたことで始まり、300万人以上の日本人の命を奪ったかということがよくわかりました。この戦後編でも、いかにアメリカの都合で動かされたり、日本が骨抜きにされたりしていたことがわかりました。半藤氏はジャーナリストなので、すべてを信じるわけにはいかないにしても、現在の日本のように、責任ある者がタコつぼ化して周囲の動きについていけなかったり、思考停止状態になっていたりする現状と当時はあまり変わらない気がしてなりません。
本の話からは少しそれますが、この関係で最近よく思うのは、「地方が疲弊している」とニュースでよく伝えられていることは果たして本当なのか、ということです。確かに、夕張市が破たんしたり、地方の病院が医師不足や経営不振で閉鎖したりというような暗いニュースはたくさんあります。温泉めぐりなどで地方によく行く身として、自分の肌感覚で考えると、本当の山奥などは確かに人も少なく、地方の大都市の駅前のシャッター商店街などからは活気は確かに感じられません。ただ、今の地方の駅前などはそもそも昔のように列車がたくさん走っている時代とは違い、人が駅前に集まらなくなっただけの話で、実際、郊外にあるショッピングセンターの周囲などは結構繁盛していて、相当の田舎なのに道路が渋滞しているときさえあります。良くも悪くも、すでに世の中はクルマ社会、大規模店舗の時代に変わっているので、そういう実情を見ずに駅前のシャッターが閉まった通りだけで不景気だと嘆くのは、一面しか見ていない結果だろうと思います。
かつて駅前で商店を始めた人は、そこに人がたくさん集まるから店を開いたわけで、その環境が変わったのに、ずっとしがみついて「政治が悪い」などと言ったり、そこだけを集中してとらえるマスコミもいかがなものかと感じます。地方都市の商店街でもなんらかの特徴を持っているところは、こういう時代でもちゃんと繁盛しているところはたくさんあります。結局、今疲弊している地方という言い方になっているところは、これまで税金や公共事業の恩恵に預かってきたのに、それがなくなってしまったにもかかわらず、なにも変化に対する対応をせず、古い凝り固まった既得権益を持っていた立場で責任を他のものに転嫁しているに過ぎないというように私には見えてしまいます。ですから、本当は日本で弱っているのは、税金に依存していい弱者の方々を除けば、「創新」や「優化」を忘れた既得権益にすがるだけの税金依存の人たちではないかと思います。それは地方だろうが中央だろうが全く同じレベルの話であろうかと。
と、また憂うおやじ的内容になってしまいました。明日は北方遠征前に近場の元気な地方都市方面で頭を冷やしに(温めに?)行ってこようかと思います。。
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