放射能汚染と風評被害
今日は、お野菜が無いので野菜を買いに行ってみました。これが予想外に青物が残っていてビックリ。乳製品はありませんでしたが、卵も野菜もありました。どうやら、福島原発の放射能汚染の影響で野菜が売れ残っているみたいなんですね。政府の発表としては、すぐに人体に影響の無いレベルだけれど念のために出荷を差し控えるとのこと。でも、消費者の反応は敏感なようですね。私達のようなガン患者は、放射能なんてあまり恐くありません。というのも、治療のために放射線をどんだけ~!ってくらい浴びたりしてるからです。まぁ、局部的ですけれどね。放射能を浴びると発ガン率のリスクが高まるようですが、いざ発ガンすると、治療で患部に放射線を照射するという皮肉。厳密に言うと、放射能と放射線は違います。「放射線」は放出されるエネルギーのことで、放射線を出す能力を「放射能」、放射線を出す物を「放射性物質」と言うらしいです。一番重要なのは、放射能には、時間の経過とともに減っていくという特徴があることです。ということで東大病院で放射線治療を担当するチームによる内部被ばく問題と、3月16日16時過ぎに行われた枝野官房長官に端を発する「福島県産牛乳問題」の医学的見地からの解説のまとめを添付してみます。===========================================内部被ばくが実際にどの程度の影響があるのか、という質問が多いので、それについてご説明します。私たちは、大気、大地、宇宙、食料等からも日常的に放射線を浴びています。これを「自然被ばく」といいます。放射性物質を含む水や食物を体内に取り込むと、体内の放射性物質が、体内から、放射線を発します。この日常的な水や食物からの内部被ばくは、主にカリウムによるものです。カリウムは、水や食物などを通して、私たちの体の中に取り込まれ、常に約200g存在します。その内の0.012%が放射能を持っています。すなわち日常的に360,000,000,000,000,000,000個の ”放射性”カリウムが、体内に存在しています。”放射性”カリウムは、体内で1秒間当たり6,000個だけ、別の物質(カルシウムまたはアルゴン)に変わります。これを「崩壊」と呼んでいます。そして、崩壊と同時にそれぞれの”放射性”カリウムが放射線を放出します。これが内部被ばくの正体です。 1秒間あたり6,000個の崩壊が起こることを、6,000Bq(ベクレル)と言います。.例えば今、”放射性”ヨウ素が、観測によって各地で検出されています。その”放射性”ヨウ素が含まれた水を飲むと、内部被ばくが起こります。この影響はいったいどれくらいでしょうか?福島原発から約60km離れた福島市の18日の飲料水に含まれていたヨウ素の崩壊量は、最大で1kgあたり180Bq(ベクレル)でした。1秒間に180個の崩壊が起こっているということです。 ヨウ素が甲状腺に取り込まれる割合を20%とし、その放射能が半分になる日数を6日と仮定できます。現在の福島市の水を毎日2リットル飲み続けると、720Bq(ベクレル)の内部被ばくを受けることになります。現在の福島市の水を毎日2リットル飲み続けると、720Bq(ベクレル)の内部被ばくを受けることになります。これは、先ほどのカリウムによる日常的な内部被ばく(6,000Bq [ベクレル])の8分の1以下です。もちろん、取り込まれ方や崩壊の仕方はカリウムとヨウ素で異なるので、正確な比較ではありませんが、今観測されている放射性物質の影響をこのように見積もることができます。食品についての放射能の測定が始まっており、牛乳などから、わずかな放射能が検出されたと報じられています。しかし、「牛乳問題」は“期間限定”です。そもそも、なぜ、牛乳が問題になるか、順に解説していきます。史上最大の放射事故であるチェルノブイリの原発事故では、白血病など、多くのがんが増えるのではないかと危惧されましたが、実際に増加が報告されたのは、小児の甲状腺がんだけでした。なお、米国のスリーマイル島の事故では、がんの増加は報告されていまん。放射性ヨウ素は、甲状腺に取り込まれます。これは、甲状腺が、甲状腺ホルモンを作るための材料がヨウ素だからです。なお、普通のヨウ素も放射性ヨウ素も、人体にとっては全く区別はつきません。物質の性質は、放射線性であろうとなかろうと同じだからです。ヨウ素は、人体には必要な元素ですが、日本人には欠乏はまず見られません。海藻にたっぷり含まれているからです。逆に、大陸の中央部に住む人では、ヨウ素が足りたいため、「甲状腺機能低下症」など、ヨウ素欠乏症が少なくありません。チェルノブイリ周囲も、食べ物にヨウ素が少ない土地柄です。こうした環境で、突然、原発事故によって、ヨウ素(ただし、放射性ヨウ素)が出現したので、放射性ヨウ素が、住民の甲状腺に取り込まれることになりました。ヨウ素(I2)は水に溶けやすい分子です。原発事故で大気中に散布されたヨウ素は、雨に溶けて地中にしみ込みます。これを牧草地の草が吸い取り、牛がそれを食べるという食物連鎖で、放射性ヨウ素が濃縮されていったのです。野菜より牛乳が問題なのです。結果的に、牛乳を飲んだ住民の甲状腺に放射性ヨウ素が集まりました。放射性ヨウ素が出す“ベータ線”は、高速の電子で、X線やガンマ線とちがって、質量があるため、物とぶつかるとすぐ止まってしまいます。放射性ヨウ素(I-131)の場合、放射されるベータ線は、2ミリくらいで止まってしまいますから、甲状腺が“選択的”に照射されるわけです。放射性ヨウ素(I-131)を飲む「放射性ヨウ素内用療法」は、結果的には“ピンポイント照射”の一種だと言えます。子供たちは、大人よりミルクを飲みますし、放射線による発がんが起こりやすい傾向があるため、小児の甲状腺がんがチェルノブイリで増えたのでしょう。ただし、I-131の半減期は約8日です。長期間、放射性ヨウ素を含む牛乳のことを心配する必要はありません。I-131は、ベータ線を出しながら、“キセノン”に変わっていきます。(ベータ崩壊)8日が半減期ですから、I-131の量は8日で半分、1ヶ月で1/16と減っていきます。3ヶ月もすると、ほぼゼロになってしまいますから、「牛乳問題」も“期間限定”です。===========================================なんだか専門的でわかりにくいですね。でも、チェルノブイリやスマイリー島の原発事故の例はわかり易い気がします。チェルノブイリの事故は、原子力開発の歴史上で最悪の事故と言われており、事故当時、爆発した4号炉は操業休止中であり、原子炉が止まった場合を想定した実験を行っていました。この実験中に制御不能に陥り、炉心が融解、爆発したとされています。爆発により、原子炉内の放射性物質が大気中に大量に(推定10t前後)放出され広島に投下された原爆の400倍の放射能が放出されたと言われています。チェルノブイリ原発事故後の健康被害として、1990年頃からこどもたちの間で甲状腺ガンが急増しました。爆発により放出されたヨウ素131がこどもたちの甲状腺に取り込まれ、被曝をもたらした言われています。白血病やその他の病気が増えたという報告も数多くありますがその因果関係が公式に認められているのは甲状腺ガンだけです。チェルノブイリ医療支援ネットワークまた、25年近く経過した現在、これまでのところ白血病の識別できる増加は無いが、過去の被爆者の健康調査の結果、白血病は被曝から発病まで平均12年、固形ガンについては平均20~25年以上かかることが分かっているそうです。以上のことからも、現在の福島の原発の事故状態から考えると日本人はあまりにも過敏反応しすぎている気がしなくもありません。妊娠中の妊婦さんや、新生児に関しては、用心しすぎるくらいで良いと思いますが健康な大人は、もう少し冷静になっても良いように思います。少なくとも、被災地や近隣の各地への物資の搬送を拒否するのはちょっと如何なものかと。例え、ガンになっても私のようにちゃんと生きてますしね。早期発見、早期治療すれば自分の寿命くらいは生きられます。というのは、調子にのりすぎ?にしても・・・チェルノブイリほどの被害は出ていないのですから、福島の原発近隣の地域や県への物流関係者の方の勇気を期待したいです。どうか、被災地とその近隣地域へ物資を運んで、物流を正常化してあげて下さい。