カテゴリ:読書
太った身体に暗い性格。
友だちもいない、恋をしたこともない。 27歳のOLタチバナサクラが そんな自分に別れを告げるべく飛びこんだ ドラァグクイーンの世界とは… 第19回太宰治賞受賞作(「たゆたふ蝋燭」改題)。 携帯カメラ日記にもちらっと書いたけど、 良くも悪くも新人らしい作品。 いわゆる、風俗嬢やホステスが書く作品と、 近い匂いの漂う作品。 著者は 「ショーは一度見ただけ、その世界は知らない。 ただのOLが想像だけで書いた」 と後書きに述べてたけれど、 想像だけとは思えないほど、 リアリティーある作品。 文体もとても読みやすく、 (悪く言えば一般的な作文みたいなレベル) 普段読書はあまりしない人にも無理なく読める作品。 筋の流れはかなり予定調和&ありがちではあるが、 知らない世界をのぞくという意味では丁度いいんじゃないかと思う。 生まれながら醜い私。 と、自信のない日々を送る女性には、 バイブル的な1冊になるのかもしれない。 「人の目を気にして本音が言えない」 「私なんかがでしゃばっちゃいけない」 そうは思いつつ、 「もしもっと美しく生まれていたら あんなふうにおしゃれできるのに」 なんて思いを胸に秘めてる人、 もしくは、過去そうだった人、 というか、女性であれば、 よほどの絶世の美女でもない限り、 常に渦巻くテーマと思う。 「私なんか」が無くなる一冊。 自信を無くした時こそ是非。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.08.21 00:28:30
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