カテゴリ:読書
*あらすじ*
山陰の小都市から夢を抱いて上京した庵志津子が、 銀座の一角に開いたクラブ「庵」は、 政財界のVIPのサロンになっていた。 毎夜のにぎわいは、抜群の立地条件と 志津子の優れた経営手腕に負うところも多いが、 「特殊接待」という客とホステスの 秘められたサービスにも理由があった。 その常連客の一人、 三立産業の次期社長候補である山原正人専務は、 ある日、自宅で暴漢に襲われる。 妻の都美子が夫の財産を手に入れるため、 不倫関係にあった柿田と共謀して命をねらったのである。 ところが、山原はその暴漢を逆に殴り殺してしまう。 森村ワールドの新しい地平線をひらく、 官能ミステリーの傑作。 森村氏の作品は初めて読んだけど、 う~ん、なんていうか、相当数の著作があるだけあって、 「古い人」ってイメージ。 いくらよく出来ていても、 新しさはなく、「古い人」特有のだささが 全面に押し出されてしまう。 私の持つイメージとして「年配の男性作家」ほど、 妄想家で、やたらめったら難しい言葉を多用、 「新しい言葉」が使えない、 そのくせ、不必要な所ばかりに、 英訳のルビを多用する、 これって森村氏に限らず共通項だったり。 だから、本が売れないんだよね、若者に、とか思う。 ゆえに、前半は、慣れるまですごく疲れた。 内容的には、彼なりの巧さもあるし、 面白い部分もあるけれど、 設定や登場人物の手を広げすぎたせいで、 芯があやふやで読者をちょっと疲れさせるかな? 下巻では大分慣れてきたせいか、 連ドラを見ているように、 「あの話の続きは一体いつ出てくるの?」 と先が気になって一気に読んでしまったが、 落ちもちょっと弱い感じで。 粗探しをしだしたらきりがないほど、 全体的には散漫な印象だった。 一説一説を読ませる力があるだけに、少し残念。 あと、無駄な説明ばかりに走りすぎなのも、 だるかった。 まるで「希望の国のエクソダス」のような。 銀座の高級クラブ、政界の実態、 権力と女・・・・ここらへんのキーワードに ピンとくる人には面白いかもしれない。 コールガールにより特殊接待の描写は、 なかなかお見事。 「こんな女を抱きたい」と 性への探究心が深い男性を共感させるのは必至。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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