カテゴリ:読書
彼女の作品は非常に読みやすくて好きだ。
なんだか小難しい説明ばかりの本や、 分厚い本ばかり読んで 疲れている時なんかに丁度いい。 基本的に恋愛モノオンリーなので、 何冊も続けて読むと飽きるし、 色々と心動かされるので、 ある意味心に毒だったりもするんだけど、 でも流石恋愛モノのみで売れ続けてるだけあるなって 久々に読むと再び感心してしまう。 山本文緒、江国香織、そして唯川恵、 この3人は御三家と言ってもいいほど、 いつも本屋の目立つとこに並べられ、 いつも沢山の出版をしつづけている。 三人の私なりの印象は以下の通り。 山本氏:直木賞受賞作「プラナリア」 とにかく暗い、堕ちていくヒロイン多し。 ただやはり巧いので明るめのもので、 プロットが恋愛以外にもしっかりしてるもの であればとてもいい作品を描く。 江国氏:直木賞受賞作「号泣する準備はできていた」 中では一番読みにくい。 それだけ感性に傾いてる作品を書く人。 文章というよりは言葉の羅列。いい意味で。 だから巧みな文章よりも 逆に心の奥に強く響くフレーズが多い。 唯川氏:直木賞受賞作「肩越しの恋人」 万人受けする文章という意味では一番巧いと思う。 ちょうど「未来予想図」なんかを歌ってた頃の ドリカムが描く失恋の世界観にとても似ている。 暗い、哀しい、不幸なんだけど、 明るさを持ち合わせる主人公を描かせたら天下一品。 と、話が反れたけど、本作も新しくないだけあって、 とても初期のドリカムソングを彷彿とさせます。 ラストには賛否両論ありそうだけど、 ちょっと泣きそうになった。 大人になると身を引く恋を知るけれど、 まさにそういった所を巧みに描いてます。 ありきたりな話を、ドラマのように、 すごく現実的に描けるのは唯川氏だからと思う。 彼女らや、彼の一挙一動に 女なら誰もが共感できるはず。 ★3なのは、今までの作品よりも特別抜きに出る ものがないので。 でも、ちょっと唯川作品っぽくなさもあったり。 大失恋の直後や、前向きになりたい時、 眠りたいけどちょっともったいなくて眠れないような、 そんな一人の時間を有意義に過ごしたい時、 打ってつけの作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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