カテゴリ:読書
おともだちに勧めてもらった作家さん。
名前すら知らずに、なんの気なしに本屋で見かけて、 あんなに熱く薦めるのだから一冊くらいは読んでみるかな、と、 軽~い気持ちで手にとった。 が、私がいまいちだったブルータワーを絶賛してたし、 キライな伊坂(こうたろう)さん好きらしいし、 映画の趣味も私よりアート系に傾斜している気がするので、 気は合うけど、本の趣味は合わなそうだと ちょっと警戒して(←ごめん)、 珍しく立ち読みしてから購入することにしたのだけれど。 もうその時点で。 というか、数ページ読んだだけで引き込まれた。 とても暖かくいい匂いのする本。 ・・・一言で言うならきっとこんな感じだろう。 登場人物ひとりひとりがみんなどこにでもいるような、 他愛ない人々なのだけど、 誰を取っても素敵な人たちで、 その世界観に、浸れば浸るほど 自分自身がその世界にいるような気さえしてしまうのだ。 クライマックスあたりでは、 ひとりで「くす」とか、「ぶは」とか、「ぐふ」とか、 言ってしまう始末。 それだけ、おもしろおかしいので、 電車の中などでオススメはできないかもしれない。 そして、それだけおもしろおかしいのに、 読了すると、とても暖かい気持ちと、 悲しさと切なさと、憧れと、 未来への希望と、 そんなふうに、たくさんの、本当にたくさんの思いが 湧いてきて、ほんの少し泣けてしまった。 最後の言葉をそのまま、 作者に、本作品に、そして薦めてくれた彼に伝えたい。 それで持って、 私自身も恋人に、 いつでもああいう風に言いたいし、言われたいとも思う。 人と人との愛というものは、 恋愛も、家族愛も、友情も、 とても大切なもので、 そういう出会いや想いのために、 人生はあるのだと再認識させられる本。 嫌な言葉、汚い言葉ばかり言ったり聞いたりしてると、 気持ちが落ちてくるけれど、 いい言葉、幸せな、美しい言葉を言ったり聞いたりしてると、 素敵な気持ちになるから、 なるべく「気持ちの善い」言葉を使いましょう、使うべきだと、 何かで聞いたことがあって、確かにその通りだと思うけれど、 馴れ合いとか、ストレスとか、倦怠期とか、 そういったものが邪魔をしてなかなか実践できないときの、 バイブルに値する作品と思う。 だから、何かに悩む人にこそ、是非に読んで欲しい作品。 ところでとてもいい匂いがすると言ったけど、 川上弘美さんの感じに少し近しい気もした。 「センセイの鞄」とか、「ニシノユキヒコの恋と冒険」とか。 だから本書が素敵と思う人は前述した本なんかを 読んだらいいんじゃないかなって思う。 落ち込んだ時に聞きたい好きな曲のように、 人生に躓いた時に、再び読みたい、 そして、この先幾度か読むであろう、 そんな予感のする作品。永久保存版的な、ね(笑)。 ↑どうでもいいけどこれ装丁悪すぎじゃないの? 薦められなかったら絶対買わないであろう、 タイトル&装丁だわ、個人的には。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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