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2008.04.30
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カテゴリ:読書

《 female 》 女性作家オムニバス

《 玉虫 》 小池真理子

★★☆

男は玉虫。可愛がってくれる人なら誰でもいい、どうでもいい。

そんな女性ならではの弱さを描いた作品。

こんな風にして上京してくる人ってきっといるんだろうな。

《 夜の舌先 》 唯川恵

★★★☆

男より女の執念の方がはるかに怖いことを実感する作品。

理想の女像が強い男性ほど読んで欲しいかも。

それでもってこれなんとなく私の親友を彷彿させるようなさせないようなw

《 太陽の見える場所まで 》 室井佑月

★★★ 

イマドキぽいというか、現代だからこその設定と内容。

堕ちてゆく人たち。

それもありえないほどに。

彼らを「ことごとくついてない」と思える自分の

今の居場所は幸せなのだろうと実感できること請け合い。

室井嬢なかなかやりますなw ←全く期待してなかったので。

《 桃 》 姫野カオルコ

★★☆

やはり私は姫野女史が苦手だ。

超話題&人気作のツ、イ、ラ、クを読んで

「ちっともダメだ」と思った時の感じを思い出した。

(ちなみにアマゾンでは★★★★☆の高評価作品↑)

《 桃 》という短編のような文体というか構成というかは

本来どちらかというと好きなはずなのに

この人が書くとどうしても読みながら

「肯定も否定もできない感じの疑問」が続くので

フラストレーションが溜まってしまうのだ。

そんな姫野女史の本作だが、短編なのでなんとか最後まで読めた。

そして。

最後の数行を読んで少しスキになった。

読むほどに味の出るスルメのような短編、

という意味では全5作品の中で突出しているかもしれない。

《 僕が受験に成功したわけ 》 乃南アサ

★★

これ一番つまらんかった。

少年の視点、それも性への目覚めとか

そういった心情描写を女性作家なのにここまで巧みに描ける点は

素晴らしいし、

「男の子ってこんな感じだったのかな」って

ちょっと学んだ。

けど、それだけなんだな。

せっかく凍える牙シリーズのようなものが書ける人なのに残念。

 《 総評 》

★★★☆

性と女をテーマに著名な女性作家が競演している本作は

それぞれの作者によってそれぞれの角度で描かれているため、

女性ならば「何がしか」考えさせられるはず。

そしてむしろクサイモノニハ蓋をしがちな男性にこそ

読まれるべき作品のようにも思う。

まぁ映画化もされているくらいなので読む価値はあるのではないかと。







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Last updated  2008.05.05 14:36:30
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