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2008.07.27
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カテゴリ:読書

最近一番注目している作家さん。

どれくらいの愛情

を読んで、

「ああ、やっぱりこの人の描くものスキだわ」

と、

もしも、私があなただったら

を珍しく新刊で購入するも、

なんだかちょっと物足りず、

そのまま白石作品から遠ざかっていたのだけど、

約一年ぶりくらいに中古書店で見つけて購入

―したのが数ヶ月前。

やっと読み終えたけど、

個人的に白石作品のワーストでしたorz

これまでの白石作品を読む限り、

前半いまいちでも、最後まで読むと

絶対何かがあって、

なんていうか、

毎回大小差はあれど、

こころふるえさせてもらえるのだけど、

本作は、そんなところが皆無とは言わないけど、

かなり薄かった。

そもそも50代のバツアリ男二人が中心となった物語って時点で、

共感できる部分があまりにも少なく、

というかむしろ、

主人公である、せいちゃんと

その親友である、あっちゃんは

わたしのような立場からすると

どちらかというと共感というよりは

敵対?しちゃうような位置にいるかもしれなくて、

そこが一番痛かったのかも。

 

帯のコピーに

「人間って一体なんやろね。

この人生ってなんやろね。」

で、↑こんな装丁なもんだから、

まさか男同士の友情なんて想像しなくない?

男女間の夫婦愛とか、恋愛とか

そういう系だと思ってたし。

まぁ、自業自得の要素のがおっきいんだが。

とは言え、得るものが何もなかったわけでもなくて、

やはり独特の白石節は心に刺さる。

 

人は生まれて死ぬ

とかって表現はよく聞くものだと思うんだけど、

人は生まれて「生きて」死ぬ

なんて風な表現をし、更に、この、「生きて」

の意味を問題提起するような、

白石氏のこういったスタイルは

とても様々な物事を考えさせられる。

 

ただ今回は、共感できない人々というか、

住む世界が違いすぎ、

なおかつ、共感も、憧れも抱けない人々の話を

横で聞いてても

「それがなにか?」と冷めた視点でしか見れず、

更に、「人生を問う」白石節が

いつもよりもかなり控えめだったところが

足りないまま読了してしまった一番の要因のような気もする。

荻原浩の映画化された「明日の記憶」を

読了したときにも似たさめざめとした気持ちで、

どうも私には50男の哀愁?郷愁?みたいなものが

描かれたものは、

小説でも、映画でも、ドラマでも、

きっと肌に合わないんだなと思った。

 

なんか、おじさんがいい年して、

あっちゃんとかせいちゃんとか、

それはないだろう?って

いや、それはありえることで、

実際に自分の父に置き換えてみても、

××ちゃんと呼んでる男友達もいたし、

だけど、なんだろう、

小説でまで読みたくないなと思う拒否反応?

普通に聞くと気持ち悪くないのに、

小説で読むと、

いい年して気持ち悪いなという嫌悪感みたいなものが

湧いてきてしまう。

これは差別なのだろうか?

でも、若い女の子が「あっちゃんねー」

とかって話したらきもくないけど、

40過ぎのおばさんがそう言ったらキモイと思う人って

絶対に世の中にいて。

それと同じようなものなのかなとも思うし。

また、自分が、一歩一歩、

本作の主人公達に

確実に近づいていっているという

老いに対する、

恐怖感や嫌悪感からも

こういう気持になってしまうのかもしれない。






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Last updated  2008.07.27 11:42:26
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