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品田知美の空中庭園

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Ayami0719

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 この週末は、娘のサッカー試合観戦がつづいた。きょうが小学生時代最後の試合観戦になる。6年近くお世話になったクラブ生活を思い返して、少し感傷的な気分になっている。たぶん、小学校生活よりもずっと濃密な時間を彼女はここで過ごした。私の生活も、彼女がサッカーをやっていなかったら、ずいぶん味気ないものになっただろう。
 女の子がサッカーするというのは、ここ東京ではまだまだ珍しい。昨年夏以来のなでしこジャパン効果で、話は少しだけしやすくなって助かっているが。この地域のクラブでは、卒業まで少年チームでプレーしつづけた女の子は、娘の代が初めてだという。思い返すと、娘が1年生の時に兄のサッカー合宿の付き添いに行き、女の子もいるよ、と聞かなかったら「女の子も少年サッカーチームに入れる」と気づかなかっただろう。
 幼い頃から体を動かすのが好きで、兄や父や友人たちとボールを蹴って遊んでいた彼女に、「クラブに入りたい?」と聞くと1も2もなく「入る!」という返事で、すぐに馴染んでしまった。それから5年半、暑い日も寒い日も風の日も、本当によく通ったと思う。低学年の頃は、学校でもあまり男女の区別なく過ごしているおかげで、休み時間、放課後と校庭でサッカー三昧の日々がつづいた。クラブでも、「女の子」を意識する必要もなかった。
 高学年になると、学校でも男の子と女の子がだんだん別れて遊ぶようになり、娘はどちらの集団に属したらいいか、悩み始める。幸いクラブの子たちは、幼い頃からやっているおかげか、チームメイトとして受け入れ続けてくれた。でも、選抜チームに入るとそうはいかない。ただでさえ、強気の男の子集団である。よく知らない女の子に、簡単にパスなど回さない。娘は、初めてのカベにぶつかった。サッカーの楽しさを忘れかけていた時期もあった。そんな時私にできたのは、彼女とともにサッカーを楽しむことぐらいだった。
 男の子なら、海外に移籍して初めてぶつかるようなカベに、女の子は早いうちにさらされる。精神的に鍛えられるわけだ。現日本女子代表選手の大半は、少年チームでプレーしている。「女の子」にだけかかる有形無形のプレッシャーが、どれだけ彼女たちを鍛えただろう。女子代表に逆境に負けない精神的な強さを感じるのは、偶然ではない。
 男の子の母親たちやコーチが、サッカーをする女の子を暖かく見守ってくれるとは限らない。「卒業までいっしょにやろうね」と言ってくれた人よりは、「いつまでこのチームでやるの?」と言われる方が普通だった。ケガでもしようものなら、「だから、女の子は、、、」といわれてしまう。幸い娘の学年は対戦する相手チームにも女の子が多かった。息子の頃には、ほとんどいなかったので、ここ数年で少年チームでプレーする女の子が増えつつあるのかもしれない。
 それでも、試合中対戦相手に中傷されたり、(そういう相手を「つぶし」にかかるのが彼女だが)、難しいことはたくさんあった。外野を退けてここまで公平に扱いつづけてくれたコーチ陣には、心から感謝している。
 娘は卒業して強豪女子クラブに所属する。伝統あるクラブに、今まで少女チームから来た子はわずか1人だという。少年チームに残り続けることができなければ、このクラブに行くこともなかっただろう。先の見えない道を一歩一歩切り開いて歩いてきた娘の卒業に、乾杯!





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Last updated  2005/03/14 12:23:56 AM
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