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品田知美の空中庭園

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Ayami0719

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カテゴリ:イベント
 つづきが1ヶ月後でした(^^;)。北京から帰ってすぐ「段ボール肉まん」事件の報道、やらせだったと否定報道、と最近は製品問題で中国関連の報道が出ない日がありません。行く前よりもメディアに出る中国の話題が目に止まるようになりました。すこしこなれた時期につづきを覚え書きするのもいいかな。
 どうして偽物を売ってもいい、とか毒入りを売ってもいい、という人がいるんだろうと考えてみると、なぜか街のすがたが浮かんでくるんです。街路に向かって背を向ける住居。クーリエジャポンの記事によれば、福建省周辺の「客家」の住居はドーナツ型で巨大だけれど、外に向けて一階は家が窓1つない完全な壁になって内向きなところは同じ。このスタイルは中国でよくみられるんでしょうかね。近づくと徹底的にその地区の住民が「よそモノ」を排除するという感じです。実際おなじ「楼」に住めるのは血のつながった一族だけ。こういう建物の近くを歩いていると、同じ人間であるという感覚を強く否定されてる気がしてくるわけです。人類みな仲間という意識がなければ、何を売ってもいいわけで。
 いままで欧米の国々を旅してこういう住居にであったことがなかったから、すごく新鮮でたびたび記憶がよみがえってきます。よく、ガーデニングの世界で、家の窓をエクステリアとして位置づけて外の人に向けるかたちでデザインしていくのは、ヨーロッパ的。日本の家屋はわりと内向きである、といわれるんだけれど、中国式はもっと完全な内向き。日本家屋は「なんで狭いところにやたら塀をつくるんだ」、という話もあるんだけど、窓は外にむいていて、塀や生け垣でワンクッション入れるところは、ちょうど西洋と中国のしきりかたの中間にあたるんじゃないかと思いいたりました。
 もう1つ街を歩いていて衝撃だったのが、地図にあった水辺にたどり着けなかったこと。どうやら、家屋で全部囲まれていて外の人は簡単に入れるようになっていない。都市中心街区の水辺といったら市民の憩いの場であるという意識が染み付いているから、必死に探してたんです。でも、考えてみたら外からの外敵から守るという様式なんだから、水辺の周りを守るように住居で囲って、背を街路に向けるのが一番安全ですよね。別にオープンスペースにする必要はないといえばない。そのあたりは、官僚たちが住む高級住宅街になっている、という話も小耳に挟みました。ほんの少し郊外にあるマンションのメンテナンスは全く行き届いていないのに、その地区は本当にこぎれいなんです。
 公共という意識は都市とともに生まれたものといわれたりします。何か全然違う発想でつくられてる都市が北京でした。公共とは威厳を示すために作られたひたすら巨大で立派なもので、庶民の住居はやはり貧しいまま。ローマは小さな都市街区の周りを塀で囲みましたが、北京の少し郊外には宇宙からも見えるという万里の長城が作られています。遠くの壁と強固に親族単位で守りを固める家。塀の中は一応はみな市民のローマ式。人々の隔て方、というものは建造物と切っても切れない関係にあります。
 輸出先の人たちを同じ仲間と考えるという発想の方がむしろ「近代」特有のもの。中国では同じ街に住む人たちでさえも、仲間の範囲はとても狭い。そこが極端な不平等状態へとつながるのでしょう。日本でも、そう公害病がひどかったあのころ、東京オリンピックの前とはまさにそんな時代でした。ひどい目にあっている人をエリートたちは同じ仲間だと思っていなかった。それから少しは変わったのだろうか、と他国をみるにつけいまの日本社会のことを考えてしまいます。






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Last updated  2007/08/03 09:40:09 PM
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