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出羽の国、エミシの国 ブログ

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2005年06月28日
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 今日、「高松塚古墳 石室を解体」の見出しが読売新聞に載っていた。
 「飛鳥美人」の極彩色壁画は教科書にも載っているし、服装や思想感など、この時代を理解する上で 基礎的な考古学資料ともなっている古墳だ。

1972年、発見された当時、「飛鳥美人」は、約1300年もの長い間、土のなかに閉じ込められていたにもかかわらず、色鮮やかだったそうだ。

 しかし、発見されて ほんの33年間で絵や漆喰には カビが生え、劣化、変色してしまったのだそうだ。石室を解体保存するということは、壁画だって空調設備のあるところで保存するのだろうから 維持にもお金はかかるし、文化庁が責任をもって何百年も保存し続けられるのだろうかという不安が残ると思う。

 現代の保存科学は 一般の人が思っているより、技術力に乏しいのなのかもしれない。もっと言えば、1300年前の保存技術の方が”保存”の目的からすれば進んでいたのではなかろうかとさえ思えてくる。

 石室解体の練習をしている写真も載っていたが、平らな場所で しかも直角に切ってある石を使ってのシュミレーション・実験で、実際のさらに状況の悪い現場でうまくいくかどうかは 素人だからなのか、私には 少し不安を感じる内容のものだった。
 
 それでも何もしないよりはいいのかもしれないが、今回は 特に文化庁の決定の方法と 修復への遅い対応に、問題があったように書かれている。読売新聞の記者の怒りが伝わってくる。

 発掘しても、発掘したものを保存・維持管理できないとなれば、歴史の遺産を台無しにしてしまうし 言い方は悪いが 文化財の破壊行為ではないかとさえいわれかねない。しかし、発掘しなければ、歴史の事実は わからないし、時とともに劣化している保存すべき埋蔵物を知ることもできない。

 歴史は知りたい、しかし、そのための文化財は触らないで永久保存したい、という2つのジレンマの中にあると思う。
 





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最終更新日  2005年07月01日 22時24分41秒
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