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出羽の国、エミシの国 ブログ

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2006年12月10日
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テーマ:本日の1冊(3696)
クリスマス, つまり イエス・キリストの誕生日を祝うのは、キリスト教国でない日本の人たちが祝うのは 少しへん・・・なはずだが必ずしもそうではなさそうだ。

 江戸時代にキリスト教は禁止され、その信徒、信者は弾圧された。
キリスト教に対する ある種の違和感があるのは そのような歴史からくるのかもしれない。
長い時間を経て成立する宗教は、古くから宗教間で相互に影響をうけあうので、
それぞれの宗教の考え方には共通性がみられると考えられている。

 クリスマスの様々な風習もその中の1つだ。

 “仏教は、紀元前5、6世紀ごろに釈迦によってひらかれたのだが、その中の大乗仏教は、1、2世紀に成立した。この大乗仏教は、当時すでにインドに伝わっていてユダヤに発した原始キリスト教や、景教(ネストリウス派キリスト教)の影響を多分に受けていたといわれる。”
このような、日本の仏教の教えにキリスト教の教えと同じものがあるという内容の本があることは以前にも書いた。 
  →日本・ユダヤ封印の古代史<2><仏教・景教編>


 一方、仏教やキリスト教が、“ミトラ教という西アジアの宗教から 多くの影響を受けたのだ”とする考え方がある。
松本清張は “カミと青銅の迷宮”で次のように書いている。

 “BC2000年頃、西アジアでからおこりAC100年まで続いたミトラ教では12月25日を太陽神の生誕日としている・・・冬至を過ぎた太陽がふたたび勢いをとりかえすときを、太陽の復活としたのである。
 ヒッタイトの宗教にそれがあり、これがキリスト教の降誕祭(クリスマス)となり、古代日本の皇室の新嘗祭になっている・・・。”

 ”このミトラ信仰は西してはキリスト教に影響を与え、東しては仏教に影響を与えたとすれば、その影響による共通性相似性がなければならない。・・・”とし、
「婦人の体内に光がさして聖者が誕生することや、修行談(恐怖や誘惑)や奇跡のあらわし方・・・」などの例をとりあげた。

 内容はさらに掘り下げられ “宗教としてはメソポタミアの土着信仰とおもわれるミトラ信仰がイランでゾロアスター教となり、 これが中央アジアを経て南北朝のころの中国に仏教やマニ教・景教とともに入りケン教(けんきょう)になった。・・・日本には8Cごろに密教に混じってその要素が入ってきた。“とつけ加える。
 西方(アジア)での ヒッタイトの影響から・・・新バビロニアにいたユダヤ人がユダヤ教をつくり(旧約聖書)、・・・キリスト教(新約聖書)がうまれる・・・という流れを浮き彫りにする。

 説得力のある内容だ。

 おおよそ、ミトラ(神)は、ゾロアスター教の太陽神であり、密教の太陽神である大日如来であり、大日如来の守護神の四天王の北を守る毘沙門天であり、不動明王である。
 また、ミトラは、救世主でもあるが 時代により 弥勒(みろく/梵語のマイトレーヤ)であり、阿弥陀仏であり、救世観音であり・・・と、変わる。
 すべてのキーワードが“ミトラ=太陽神=救世主”で結びつく。

 出羽三山は神仏習合であるのだが、その仏(教)としての月山の祭神は 阿弥陀仏であった。
湯殿山の祭神は 大日如来であり、羽黒山の祭神は 聖観音(正観世音菩薩)である。

 ここでも 神、太陽信仰、救世信仰のキーワードが強く結びついていることがわかる。

 キリスト教の思想 キリスト=太陽=救世主(メシア)とも ぴったりと一致する。前述の例のキリスト教との共通性、相似性の内容についても、今回はとりあげないが出羽地方にも同じものがある。

 出羽三山は “月読みの尊”という月の神様を月山にまつっているので、月のイメージが強く、意外な感じをうける。

 他言厳禁とされる山伏の修行にもキリスト教の思想が影響していると考える人がいた。
去年の春の羽黒山の修行のドキュメント映画の上映会でのこと、主催側から“キリスト教のカソリックの古老が羽黒山山伏の修行に興味を示し、若ければ参加したかった“と話したというコメントを聞いた。
古代キリスト教と山伏・密教との共通性を認識していたからであろう。

 クリスマスはもともとはキリスト教の風習である、が キリストと阿弥陀仏が同じ神であるとすれば 少し苦しい解釈としても 日本人がクリスマスを祝ってもおかしくはないのかもしれない。

 そうでなくても 冬至の日、日が短い、特に雪国ではそれからの長く雪に囲まれた冬を過ごそうとする時期、太陽があまり顔をださない どんよりとした薄暗い空が多いこの時期に楽しい行事を望み求める気持ち、気分を明るくしたい気持ちは どの国の人も同じなのだろう。





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最終更新日  2021年09月04日 15時46分17秒
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