大正~昭和のはじめにかけて活躍したステンドグラス作家・
小川三知の作品は現存するものは少ないと言われていますが、文京区音羽の
鳩山会館では、その貴重な作品を多数(
前のページに)見ることができます。
その中でも代表作のひとつと言えるのが、鳩山会館の重厚な階段の踊り場にあるこの大きなステンドグラス。
鮮やかな朱色の五重塔が描かれ、空には邸のキーワード「
鳩」が飛んでいます。
2009年 5月16日 鳩山会館 小川三知のステンドグラス
アメリカ各地でステンドグラスの技法を学んだ小川三知ですが、基礎にあるものは
日本画。
西洋の隙間なく色で埋め尽くされたステンドグラスとは全く違い、「和」の素材をゆったりとした空間の中に散りばめた作風は、見ていて心安らぎます。
日本古来の音楽でも、フッと音が消える“何もない瞬間”があるかと思いますが、ステンドグラスの世界でも、和の伝統を用い“
ぎっしりつめこまない、日本ならではの何もない空間の美”を表現しているように思え、ひきつけられます。
階段の踊り場にあるステンドグラスからは大量の光がさしこみ、とても明るい
五重塔 鳩山会館のいたるところに見られる「鳩」のモチーフ
↑このステンドグラスは二重になっています。
後ろに色をつけ、手前には黒で縁取りをし、奥行きを感じさせる技法。
その他の小川三知のステンドグラス
左: 第一応接室 背景には敷地内の豊かな緑が透けて見える
右: 第二応接室 邸には花や鳥をモチーフにしたものも多い
この花は、クレマチス(てっせん)?
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どちらが良い、悪いということではありませんが、“隙間なくぎっしり詰まった美”の西洋のステンドグラスを、参考にいくつかご紹介しておきますね。
2004年 パリ サンジェルマン・デ・プレ教会
2006年 オックスフォード クライストチャーチ (天使の戦い?)
2008年 パリ クリュニー中世美術館 (受胎告知)
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鳩山会館 庭園の大輪の薔薇 に続きます
鳩山会館
東京都文京区音羽1-7-1
03-5976-2800
開館時間 10:00~16:00(入場は15:30まで)
休館日 月曜
入館料(庭園も共通)
一 般 500円
学 生 300円
小・中学生 200円
65歳以上 450円
有楽町線 江戸川橋駅(出口1a) 徒歩7分・護国寺駅(出口5)徒歩8分
『
小川三知の世界』
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