カテゴリ:映画・宝塚・観劇
初日から約一週間後の東京宝塚劇場で月組「エリザベート」を観劇。
いつにも増して若さがキラキラとはじける熱い舞台に、期待以上の満足感が。 宝塚「エリザベート」の公演は今回で7回目ですが、雰囲気が熱い原因の一つは、先日、主演のあさこさん(瀬奈じゅん)の年末の公演で退団が発表されたばかりだからでしょうか。 タイトルを見て薄々感じてはいましたが、やっぱりショック。ミーマイ以降は月娘1不在で孤高の人となったとはいえ、やはり俺様系のカッコイイあさこさんの姿を宝塚の舞台で観ることができなくなるのは淋しいかぎりです。 多くのトップスターが円熟の頂点で退団していくのは宝塚の宿命。あさこさんを最後までしっかり応援したいですね。 2009年7月 月組「エリザベート」 ※以下、もし失礼な記述がありましたらお見逃し下さい。悪意は全くありません。個人的な感想を書きます。 ◆ 死・黄泉の帝王トート・瀬奈じゅん(あさこさん)は、まずは銀色の光を放ち堂々の登場、その美しさに目を奪われます。 ちょっと表情が硬いかなー、きれいだけれど、あさこさんの代表作を一つ選ぶならやっぱりミーマイのビルのような温かい役かな…。編みこみヘアは違和感があるかと思ったけれどこれはこれでありだわ。 など、色々考えながら観続けていましたが、何もかもが吹っ飛び、ひたすら「素敵…」と引き込まれた場面が。 [舞踏会]の『最後のダンス』で黒天使と共に踊るシャープなトートの動きに目が釘付け。 あさこさんの踊りが上手なのはもちろんよく知っていますが、我ながら、ここではまるか?と、そのツボにちょっとびっくり。きゅ~っ、と胸を鷲づかみにされた感覚です。やられた。 自分の目がハートになり、気分がモリモリと?音をたてて盛り上がるのがわかります。その後はずっと出演者の誰よりも安定した貫禄をみせ、歌にも不安はなく、さすがのベテラントップぶり。 役作りの完成までに苦悩する様子が、TV「情熱大陸」に映し出されていましたが、一度幕が上がると堂々たるトートぶりで、最後までぐいぐいと魅了されました。幸せ☆宝塚観劇はこうでなくちゃ。 ◆ 最大の収穫はエリザベート・凪七瑠海(カチャ)の大抜擢。この配役が発表された時の衝撃は、以前“新専科制度”が作られた時と同じ位だったかも…。 ウィーンの原作者の「エリザベートは小柄ではだめ」という意向で、すらっとした背の高い人が選ばれるのは当然としても、新公主演経験のない無名の若手男役が他組から特別出演し、主演娘役不在の月組のエリザベートを演じるということで大きな波紋をよんでいました。 (初舞台の時、カチャは新聞の記事で大きく取り上げられていた記憶が。小顔で可愛いタイプの細い男役だったと思いますが、歌も芝居も未知数。) まぁ、観てみないことには騒いでも仕方がないと思っていましたが、実際驚きました。 後半の年齢の出し方と歌にはやや課題も残りますが、全体としては本当によかった!ここまでのものは期待していなかったのですが、十分に重圧をはねのけた素晴らしい舞台を作り上げてくれました。 何より、内面からこぼれ出る自然な輝きにスター性を感じます 私が観劇した日には、『夜のボート』の場面で客席からすすり泣きの声が。 男役としての完成にはまだまだ時間がかかると思いますが、宙組に戻った後はじっくり時間をかけて大きく成長してもらいたい、将来が楽しみな人ですね。 歌も、すごく頑張っていたと思います。 若い皇帝との並びも美しく、どの衣装もよく似合っていて本当にきれいでした。フィナーレのデュエットダンスも非常によかった! ~ * ~ * ~ * ~ * ~ 昔、ターコさん(麻実れい)がゴールデンコンビのモック(遥くらら)に先に退団されてしまった後、決まった相手役がいないままサヨナラ公演『はばたけ黄金の翼よ』をむかえ、相手役のヒロイン・クラリーチェに若手男役のイチロ(一路真輝)が大抜擢され、ちょっとした騒ぎになったことを思い出します。 初々しくヒロインを演じきったイチロが大きく育ち、自身のサヨナラでは初演『エリザベート』の黄泉の帝王トートを見事に演じ、この作品を宝塚の至宝とした功績は今につながる快挙です。 (その後のイチロの、東宝エリザでのエリザベート役の大成功もすごいことですね。) ~ * ~ * ~ * ~ * ~ ◆ 皇帝フランツ・ヨーゼフ・霧矢大夢(きりやん)。前回の月組で演じたルキーニよりも皇帝の役の方が似合っています。 この役は代々、歌の上手な方がされていますが、きりやんの歌声が劇場に響くと、改めてきりやんの歌、好きだわー、本当に心を捕らえるような声♪と、うっとり。 今回の役で、特に一皮向けたような? いままでに既に成長する余地がないほど完成されていたように思えたきりやんが、何かをつかんでぐぐっと大きくなったような存在感を感じました。 お顔も姿もスッキリしたように思います。 何にせよ、気品のある立ち姿も美しく、正統派二枚目の資質十分。なぜかとても嬉しい気分に。 ◆ 今回大抜擢の一人で、暗殺者&狂言回しのルキーニ・龍 真咲(まさお/まさき)。ばりばりの美しいアイドル顔を髭で隠しての熱演。この人は本当にきれい。 うーん。頑張っていたと思います。とっても。 ただ、この役は、本当に難役。東宝エリザベートでは、高嶋ルキーニはカーテンコールでトートに次いで男性で2番目。フランツ・ヨーゼフ皇帝と同等(あるいはそれ以上)の力量を見せることができる大きな役どころ。 過去の轟&紫吹ルキーニの、剣を手にした時の“あっちの世界に行っちゃってる感(狂気)”がどうしても頭にちらついてしまいます。 今現在のまさきさんに、円熟のきりやん皇帝と方を並べろというのはそもそも無理な注文ですが。 エリザベートという演目の完成度の高さからいくと、どうしてもこの役には厳しい目が向いてしまいます。 とはいえ、大抜擢にこたえ大役に体当たりしているパワーは十分。 これから先が本当に楽しみな人なので、今後どんな役にでもチャレンジして、ぐんぐん成長していってもらいたいですねー。 ◆ そして、意外にはまってしまったのが、今回トリプルキャストで熱い視線を集めているルドルフの一人・遼河はるひ(あひちゃん)。 子どもルドルフの可愛いしずくちゃんがすごく大きく育った~?と、すらっとした背の高さ(とトートとの並びのバランス)は別としても、今までのあひちゃんの役柄の中でベストに近い当たり役では。 ちゃんと繊細な神経を持つ皇太子に見えました♪ 身体は大きいけれど、トートに翻弄され引きずられてしまう心の弱さが伝わってきて切なくなります。 学年からいってルキーニ役がまわってきてもおかしくないあひちゃんでしたが、1/3のルドルフ役でも、この役ができてよかった。 プログラムの写真の立ち姿も軍服がとても似合って美しい。 路線上にいるのか微妙~な立場のあひちゃんでしたが、今回のルドルフをきっかけに、一段の飛躍を!脇にまわってしまうには絶対に惜しい華がありますので、今後あひちゃんの良さをひきだしてくれるような役に巡り合えることを切望しています。 ~ * ~ * ~ * ~ * ~ エリザベートの公演にあわせて作られた携帯ストラップ(\2,000)を思わず購入。 ヴィンターハルターの有名なエリザベートの肖像画で髪につけているエーデルワイスの髪飾りと同じ形のものがストラップの先についていましたので、即買い。 置いた時はよいのですが、持ち上げた時にガラス球がエーデルワイスに重なってしまうのが難。これは調整するか切り捨てるかしなくては。考え中。 ~ * ~ * ~ * ~ * ~ ◆ ルドルフ役替わり大抜擢で話題の青樹 泉(もりえさん)、明日海りお(みりおちゃん)。 今回は革命家のエルマー、シュテファン。 この二人はどこにいても目立つ。三パターンで観てみたかった~ タイプが違う三人の起用でチケット争奪戦がたいへんなことになったのにも大いに納得。 ◆ 黒天使“S”がついてもいい位の働きっぷりの桐生園加(そのか)。振り付けの変更もあり、目をひきました。上級生が引っ張るとまとまりがよく、美しい集団! フィナーレでは紳士Aで、きりやんとあひちゃんと前で踊れてよかった♪ ◆ ゾフィー・城咲あい(あいさん)は、新公で一度演じた役を再び。劇団の意向でヒロインになったり脇になったり翻弄されている気がしますが、腐らずにきっちり役を作っていて好印象。 一幕のゾフィーの衣装がこんなに美しく思えたのは初めて。このまま埋もれてしまっては惜しい…。 ◆ ルドルフ(少年)・羽桜しずく(しずくちゃん)は、すんなり娘1には就任できなかったけれど、逆に大切に育てられていますね。 子どもルドルフの歌声もスッキリし、可憐。 一幕のバートイシュル直前「うちの娘はもっと綺麗♪」で可愛い!と思ってよく見たらしずくちゃんでした。本当にきれいで目だっていました。 (あのシーン、ヘレネは登場の時に転ぶ必要がある?どんどん変な役になって気の毒なヘレネ) ああ、書ききれません。そしてあと二回、観に行きたい!すっかり月エリザにはまりました。 エリザベート DVD-BOX エリザは素敵♪ と思われたら ↓を押して応援して下さいね☆ いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓↓こちらもよろしく! ガレットのお菓子日記 Home へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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