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カテゴリ:パティシエのお菓子
アンリ・シャルパンティエが提案する新企画「パリ・ブランシェ」は、「パリで今、流行の」というニュアンスの、くだけた表現です。
毎回3つの新作を年に4~5回発表。パリの流行を時差なしに日本に伝えることが目的の一つですが、パリのパティスリーの店頭に並ぶお菓子を、そのまま日本にストレートに紹介するわけではありません。 そこに、ひねりがきいたこの企画の面白さがありますよ♪ 『レモンメレンゲ・タルト』と同時に今回発表された『ゆずとオレンジのロール』は、まさにその一品。パティシエが伝えたいポイントを、しっかり理解して味わいたいですね☆ 『ゆずとオレンジのロール』 Roul? "yuzu-orange" 504円 素朴な疑問。パリのお菓子屋さんにロールケーキはありますか? 日本人が好む食感の一つに「ふわっふわ」があります。 苺のショートケーキ、シフォンケーキ、そしてロールケーキなど、間にガリガリッとかボリボリボリ…といったアクセントになる素材を挟むことなく「ふんわり」とした軽いものが大好き、という傾向。 フランス人は、最初から最後までふわっふわなお菓子よりも、中に何か異なる食感を求めるとよく言われています。 コンクールで「食感が必要」と言われるその「食感」とは、ふわふわだけではなく頭に刺激を与える歯ごたえのある物、音がある何かがお菓子の中に入る必要があるという意味です。 日本のパティスリーで、ほぼどのお店にも置いてあるロールケーキを、フランスで探そうと思うと難しいですね。 では、クリストフ・フェルデール(Christophe Felder)氏が、アンリ・シャルパンティエのパリラボ(お菓子の研究所)から提案する“最新のパリ”と、この日本人好みのロールケーキの間に何の関係があるか、想像してみて下さい~。 『ゆずとオレンジのロール』 『ロンドレット(いちご)』1本 1,575円 ヒントは苺のロールケーキ『ロンドレット』。こちらはフェルデールシェフのものではなく、普通に店頭で販売されているアンリ・シャルパンティエの今年の新作です。 左のロールケーキは「パリで今、流行の」要素を持ち、右のロールは日本のロール。 その違いは何でしょう? 答えは意外なところにありました。 日本で昔から親しまれている柑橘類『ゆず』が、今、パリで大人気の新素材 ウィーンにも伝わっているとのこと。 お菓子に和素材を使う『抹茶』ブームに続き、今のパリでは「ゆずを使っていたらこのお店イケてる」そうですよ~! 柚子は、おもにマカロンやソルベ(シャーベット)に使われます。 パリの流行で伝えたかった物は、ロールケーキではなく柚子だったわけですが、フェルデール氏はロール自体の見た目にもフランス人の感性を加えています。 まずはカット方法。 ロールケーキを切る時は、ふつう同じ幅になるようにと自然に手が動きます。 それを、上から見て三角形になるようにあえて互い違いに切り、シャープなラインを表現。 丸いロールに流れが出てきました。 フェルデール氏は、“まかない料理”としてパリラボに送られたうどんを調理中、パリのスタッフが見ていない時にこっそり色粉を入れ、ピンク色のうどんができあがって大爆笑、といったいたずらがお好きなシェフとのこと。 芸術文化勲章騎士章、国家功労章騎士章を授与されたフランスを代表するシェフのお一人とは思えぬお茶目っぷりですね。スタッフの話し方を聞いているだけで、いかに愛され、慕われているか容易に想像できます。 「ぼくならロールケーキはこう切るな」みたいな、遊び心の延長で、今回の斜めに切るという切り方になったのではないかと語るアンリ・シャルパンティエ銀座本店のスタッフ。 “やられた感”があったと言います。本当ですね。 クリストフ・フェルデール氏の著書は多数 さらにロール一切れを、薄く伸ばしたホワイトチョコレートで巻き、浅炊きのオレンジコンフィを丸く抜いて大小2つを飾り付け。斬新なデザインですねー。 生クリームやシャンティイショコラを上に絞って生の果物を飾る、モンブラン絞りをするなどが日本のロールケーキを飾る時の定番の手法ですが、フェルデール氏の手にかかると、ロールもこうなるとは♪ それだけではありません。 このロールに隠された「パリ」は、なんと生地にありました! 口にしてみると「ふわふわで弾力がある」または「きめ細やかでふわっとしっとりとしたスフレ生地」などの日本のロール生地とは違う印象です。 心地よい水分を含む柔らかさの中に、かみしめると卵黄強化タイプのコクを感じ、存在感のある味わい。バターは使われていません。 この生地は、マリー・アントワネットも泊ったことがあるフランス革命以前からの歴史を誇る オテル・ド・クリヨン で、フェルデール氏がシェフ・パティシエをされていたころに作りだしたルセットの応用だそうです。 それなのに、どことなくちょっと懐かしいような味わいの生地ですよ~。不思議です。 一口食べると、確かに「あ~、柚子だ♪」とわかるなじみのある香りが。 甘い中にほんのり酸っぱさがある優しいお味。 柚子はクリームとして使われています。 食べ進んで中央に近付くにつれ、しっかり炊きこまれたオレンジのコンフィが登場。 オレンジ・柚子・生地のハーモニーが一つになり幸せ気分を高めます。 このロール、大好きです これ一ついただいて、大満足。 今までアンリ・シャルパンティエといえば、どこの百貨店でも洋菓子売場でよく見かける大手メーカー、発祥の地は芦屋のサロン・ド・テ、くらいの知識しかなかったのですが、今回、アンリについて何も知らなかったことを猛反省 『カラマンジーのルリジューズ』に続きます 『ゆずとオレンジのロール』を食べてみたい☆と思われたら ↓を押して応援して下さいね いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウント。よろしくお願いしま~す。 ↓ ←こちらもよろしく! ガレットのお菓子日記 Home 食べログへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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