この頃は大学病院に所属して2年間研修をし、3年目から大学院生兼市中病院の1人医長の身分で更に研修をしていた。市中病院に来て見ると、 大学では医学以外の仕事があまりにも多いと思われた。実際その頃は、こんなことDrのすることじゃないなど思っていた。大学での気持ちはずーっと引きずってしまい、僕は何人かのコメディカルスタッフとのトラブルを起こした。
今となってやっとしみじみ思うのは、自分のスタッフたちが懸命に介助してくれる、そのことに対する感謝の気持ち。これは大学で下働きをしていると、非常に理解しやすい。指示を出せば、その指示に従って検査の手配、点滴類のミックスと施行。内服薬の準備、検査結果の前チェック、外来の予約管理、処置の集計、レセプトのチェック、診断書の書き込みなど、あの頃大学でほとんどドクターがするかなりの部分を手助けしてくれる。大学でCT1回とることが、どんなに大変か大学で下働きをしているドクターは良くご存知だろう。
以上大学で下働きをすることも、有利、不利は別として大切なことと思う。いきなり市中病院で研修をしている若い人たちが初心を忘れて、僕のような馬鹿な失敗をしないことを心から願っている。