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あるDrの半生(反省)by ge5999

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2006.09.05
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カテゴリ:半生

救急当番でもないのに、重度意識障害の患者さん到着。聞けば、院長先生の長年の患者さんで、この病院を頼って来たという。透析で病院に通っていた。

意識は昏睡。血圧は凄く高く、呼吸は不安定。スタッフ皆で協力。挿管ー>採血+静脈ルート確保ー>降圧+胃管挿入+膀胱バルンカテーテル留置ー>頭部CTとすばやく流れていく。右側だが、脳に大出血していた。 意識状態の悪さ、出血の量から手術適応はないと判断。でも、ご家族はできるだけのことをしてほしいと。

”手術をしてやってほしい” 院長先生からもお言葉があり、社会的適応から手術の準備をする。大学から麻酔科のDr.A 脳外科のDr.Hをチャーター。院長先生同席のもと説明・同意ののち手術へ。

脳圧がとても高いため、脳髄膜を大きく開けず、ちょっと開けてある程度でた血を吸ってから髄膜を切るが、脳が腫脹してきて散々の状態。手術顕微鏡を使用して何とか血の塊を除去したが、脳が張れていて閉じることができない。あんなに高かった血圧も下行気味。このような場合に行う処置をして、なんとか皮膚を縫合し患者さんを病棟に連れて帰ってきた。 人工呼吸の続行、昇圧剤の投与も行うが、反応せず。脳死にさえ持ち込めず、そのまま亡くなってしまった。

患者さんを差別してはいけない。でも頼って来たこの人を(まず無理と思っていたけど)助けたかった。世の中はままならないものですね。






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Last updated  2006.10.15 16:50:40



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