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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
新しい職場で、一人医長として脳神経外科をまかされることになった。病院の院長先生は大学で僕を教えてくださったことのある人で、自分の病院にやっと脳外科医が来たと、それはもうー とても喜んでくれた。 ある日など、僕をタクシーに乗せて、病院巡りをしてくださった。初めはA病院。内科系の病院で院長先生の友人のようだった。次にB病院。ここは古くから脳神経外科を標榜している病院だが、脳外科医の専門医は一人も居なかった。非常勤の医師さえも・・・。先方はあまり面白くなさそうな表情をされていたので、丁重に挨拶をした。そしてC病院。ここはその地方で私立の病院ながら脳神経外科のさきがけの病院だった。大学にもたくさんの(絶望的な=どうやっても助けることができないような-)患者を紹介してくださっていた。案の上、挨拶するなり見下すように ”君は脳外科の専門医なの?”というご質問。 ”はい、今年受験します、去年は大学院を卒業したところだったのと、鶴の一言で受験をとめられたので、受けなかったんですよ。”と、かっちり答えさせていただいた。 まあでもそういうことはどこでもあること。かえってファイトも出たし、感謝している。 今はその病院も含めて、僕が部分的に指導する立場にあるんだから、世の中というものはほんとうにおもしろくできている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.28 21:45:42
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