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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
目標が定まらないとはいえ、勤務医として働いていた僕。その日は外来患者さんの診療も一段落して、医局でぼワーッとしていた。そういう時をどこかから見ているのか、謀ったようにDrコール。
”先生、○○さんがーっ すぐ来てください!” ただならぬ雰囲気にすぐ療養病棟に駆けつけた。緊急の時はABCDだと自分に言い聞かせつつ。 見ると患者さんは窒息状態= A:airway 気道の確保が必要だ。 ”ほかの先生と新看護のスタッフも呼んでください”と僕。こういう時には人を集めるのが大事なのだ。 呼吸停止、心拍停止。口を開けるとのどにいっぱいご飯が詰まっている。だーっと掻き出しながら、吸引をしながら B:人工呼吸、 C:心臓マッサージ ”挿管の用意!” 新看護のナースたちも集まってきて挿管が出来た。これでがっちり呼吸させる事ができる。 吸引するとさらにご飯が吸引された。挿管をしている間にほかの先生が鼡径部に点滴を取ってくれた。窒息で間違いないと思うが)血液ガス分析や、一般検査を出すと同時に種々の薬剤も投与した(D=薬ドラッグ)。 患者は嚥下障害のある人。患者の妻が勝手に差し入れて食事をしていたらしい。全くむせこみはなかったという。 Drコールがあってからは結構早いスピードで処置したと思うが、心拍の再開はなかった。リハビリテーションで歩行の練習が始まって、これからと言うところだったのに・・・ --- 脳の病気で嚥下障害のある人では、食物が気管に入ってもあまりむせこみをしない人がいます。 脳の病気で入院している人に差し入れをする時はその可否をスタッフに聞いてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.10 23:31:26
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