|
テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
専門医合格の後、早い話が燃え尽き症候群状態の僕、だからと言って日々の仕事はちゃんとしないといけないのだ!
その日外来をしておりましたら、某病院から転院の上、リハビリテーションの継続をしてくださいと紹介が来た。 患者は70台の男性で、脳腫瘍の手術の後、反応が悪くなり、両足が動かなくなったという。気の毒になあと思いつつ、資料の写真をみた。腫瘍はほとんど摘出できておらず、おそらく腫瘍の下方を走行している大事な血管の潅流範囲に両側性の脳梗塞が見られていた。反応が悪いのはおそらく帯状回を障害したからだろう。 腫瘍の手術はとても難しい。手術する側にもいろんな事情がある。でも、それは今の僕は理解できるが、その時の僕には理解不能だった(それだけ経験を積んでなかったということ)。 ”腫瘍は取ってない、後遺症は残してる、リハビリテーションどころじゃないでしょう!!” と心の中で叫びつつ。患者さんのご家族に、 ”もうしわけないけど、今の状態はリハビリテーションに入る状態ではないと考えます。初めに手術をした病院の先生とよく相談されて、今後の治療を考えてもらってください。”と申し上げた。某病院にも丁重に紹介状を書いた。 ”再手術の適応かと思う”みたいな。 数日して、もう一度同じ病院から紹介があった、今度は麻酔科のDr当ての紹介で、結局うちの病院でリハビリテーションをすることになった。麻酔科のDrは本当にいい判断をされたと思う。 もとより、患者さんに罪はない。手術したDrにだってどんな事情があったかわからない。勝手な判断で自分のすべきことを放棄するのはよくないことだったと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.13 20:40:56
[半生] カテゴリの最新記事
|