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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
僕は今も昔も手術が嫌いです(嫌いの強さは変わりました)。血を見るのもいや。だから、自分がみて、適応がある(手術をするほうがしないより明らかに有利な)場合でないと、ご家族に手術療法を勧めていません。
手術をするのが有利な場合が多い代表的な病気は、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下出血、水頭症、くも膜下出血、表面に近いところにある良性の脳腫瘍などです。 あの日の患者さんはくも膜下出血。 脳神経外科の華と申しましょうか?手術適応になる患者さんの場合、経過良好ならば患者さんは歩いて帰り、不幸にして合併症が強くでたりすれば、ひどいことになる病気です。 患者さんの手術に際しては、手術をする方法と保存的にみる方法があって、手術をしても脳血管攣縮などの合併症によりやっぱり状態が悪くなることがある。結果の保証はできないことを再三説明し、 ”先生にすべてをお任せいたします。結果は問いません”とまで言っていただき、双方納得の上臨みました。手術は予定どうり行えましたが、術後血管攣縮と感染症が生じてひどい状態になってしまいました。 ご家族からこんなお言葉をいただきました。 ”こんなことなら手術するんぢゃーなかった” そう、そのとおり。どんなに悪くなる場合があると説明して、納得していただいても、手術を受け入れるからにはご家族は最良の結果を望んでいらっしゃる。だから、手術を勧めるときは、そういう覚悟をしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.31 21:48:56
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