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あるDrの半生(反省)by ge5999

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2007.04.02
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カテゴリ:半生
 くも膜のう胞という脳の良性腫瘍がある。脳の中に水を過剰にためた袋ができている病気で、大抵の場合無症状。ときに頭痛やてんかん、慢性硬膜下血腫などを発生する。 
その日の若年の患者さんは頭痛で来院。 CTで四丘体槽(脳深部ほぼ中心やや後ろ)にくも膜のう胞を見つけた。眼底にうっ血乳頭をみとめた。これは脳の圧力が上がっているときに見られるもので、このために頭痛がしていると判断した。
症状が出た時のくも膜のう胞の治療には直達手術とシャントの2通りが考えられるが、論文を検討して、直達手術はのう胞が脳深部にあるため侵襲が大きく、再発もあるということで、シャントを考えた。
シャントではのう胞とおなかのなかをシリコンの管で継ぐ(シャントする)ため、再発がすくないという。しかし、狙った場所に確実に管を入れる必要がある。間違えば脳深部を傷めてしまう。
そこで、昔から手馴れたステレオ=定位脳手術の技術を使って管を導入。その時にそのころ導入され始めていた神経内視鏡の技術を使用して、のう胞壁を観察、そのサンプルを採り、病理検査もした。
手術後頭痛は完全に消失。その後のう胞も小さくなった。何年かのち、患者さんは虫垂炎をおこし、この時にシャントの管も取り去った。その後も(5年間は)再発はなかった。
どの手法もたまらなく難しいものではないが、その当時できる手術としては最高の手術だった。





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Last updated  2007.04.02 11:36:27



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