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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
その日の定期手術は下垂体内から下垂体上部の脳腫瘍の摘出術。いつものように術者はDrHで助手が僕。
腫瘍は脳のぼぼ中心に大きく発育している。これを左右前頭葉の間からずーっと奥に入っていく。視神経の上下のスペースを使ってこれまたちびりちびり摘出していく。副鼻腔といって、鼻とつながった空間が開放されるため、おなかから脂肪の塊を取ったり、脳を強く圧迫しても大丈夫なように、また術後の水漏れを防ぐため、脳脊髄液を排出させる工夫もする。このため、前準備も後始末も長く、最低12時間は覚悟していた。 術者はとても大変だが、術者の横から術者の邪魔にならないように限られた居場所から手伝いする助手も結構疲れる仕事なんです。 しかし! この手術は大学では教授のする手術。・・・となると普通僕なんか助手にすら入れないんだから、こんなチャンスを逃してなるものか! 途中なんどか睡魔も襲ってきたが、腕のやわらかい所をぐーっと抓るなどしてのりきった。 手術がすんだのは翌日の朝7時(約18時間後)。 ここでDrH、 ”君が休憩しよって言わへんから、休憩できひんかったわ”だって。 えーっつ僕のせいですかぁ。 先生なんか楽しそうにやってたようにみえましたけどぉ・・・ ということで、その後DrHは外来で、僕は病棟でひきつづきお仕事。 それから、引き続いてICU当直。当直あけは外来でした。 約3日、ずーっと病院に居た。 僕もようーやるわ。 でも次からは手術が始まったら、6時間毎くらいに、”休憩しよっ”て言おう。 体もたないから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.15 09:00:17
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