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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
教授に
”ひさしぶりやな”と言われて、はっと思った。 3次救急の施設に赴任して3年。 こうして腰をすえて話したことがなかった。 遠距離恋愛がとても危ういように、 医局員にとって教授から離れていることは危険だ。 教授が信じていてくれても、周りのスズメたちがいろんなことを言う。 1年に1回くらい、何の用事がなくても、遊びにいけばよかった。 一緒に中国を旅した仲だったのに・・・ ”どうしたいんや”と教授 ”僕は後輩たちに比べて全然ダメでした。だから、あそこでDrHと一緒にもっとがんばりたいんです。” しんどいことはわかっていたが、これが本心だった。 ”そうか、なら、留学はせんのやな!” はあーなるほど、そういうことだったか。 教授には申し訳ないが、僕は大学でひどい目にあったとおもってるから、 帰りたくなかった。 それに留学すれば、臨床の遅れは決定的になる。 これが僕の当時の考え方だった。 ”どうしても嫌か、無理やりでも大学に帰したらどうする?”と教授 ”その時は先生とのご縁もこれまでになります”と僕。 恐ろしくバカなことを言ったものだ。 あんなに買ってくれてたのに。 今思うと、それまで僕は教授の言うとおりにしてきたんだら、 そのまま乗っていけばよかったなあと思う。 臨床の腕なんて、どこかの長になり、手術を独占して取り返せばよかったのだ。 大学スズメたちから ”あやつは教授に逆らった・・・”の情報が広まっていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.26 22:43:04
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