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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
いつものように意識障害患者の搬入で病院に呼ばれていた。
糖尿病で治療中。熱がでて食事がとれなかったという。麻痺なし。反射低下。 血糖値と血算、炎症反応をみたら、予想どおりの低血糖と感染症。 初期治療を始めつつ内科管理で入院するよう指示。 帰ろうとしたら、当直医が別の患者で悪戦苦闘しているようだ。 ”睡眠薬と抗精神薬の薬物中毒らしいんですが、内科の先生がまだ来てくれないし、挿管がいると思うのですが、できないんです。” 挿管をしようとすると歯を食いしばってできない。酸素飽和度も低下してきているという。みると、呼吸数も少なくなりつつある。血液ガスはどう見ても挿管の適応だ。 鎮静して経口挿管をしても良いし、とりあえずマスクの人工呼吸でもいいのだが、一目見て鼻の穴が大きめで、首がやわらかそうな人だったので、頚部損傷がない事を確認後、DrN直伝の技で経鼻挿管を行った。(鼻の穴から気管に管を入れる事) これの方法は失敗すると良くないので、できれば 気管支ファイバーを使ってやりたかったが、そんな暇もないし、チューブから呼吸音がよく聞こえたので、うまく鼻の穴から気管にチューブを挿入することができた。 人工呼吸を行ったら、みるみる良くなって、状態も安定。 その20分後、ようやくおでましの内科医が、なんで(経鼻)挿管したんですか?だって。 じゃあ抜管しましょうか?って言おうかと思ったけど、やめた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.08 19:40:14
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