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カテゴリ:半生
父がこの病院に来た。診察を受けにと言うのが名目だが、
現状を知って心配して来てくれたのだ。 開口一番、 ”もうこちらに帰ってくれ。” ちょうど 友人の○○社長が、今持ってるスポーツクラブをつぶして 老人ホームを作るらしい。故郷の街が見渡せる高台だ。 老人ホームの片隅に、お前のクリニックを作ってくださるそうだから、 そこでのんびり仕事をしたらいいよ。 ○○社長は老人ホームの理事長もお前にやってほしいと言ってる。 悪い話じゃないよ。帰って、そして、考えてくれ。ということだった。 飛びつきたくなる話だったが、当時の僕はまだメスを置く気にはなれなかった。 そう、飛び切り優秀な外科医ではないが、簡単な手術は普通にやれるし、 手術を通して患者さんに喜んでもらえる立場から離れがたかった。 開業の話は断ったものの、審査員の仕事をスムースにするため。 故郷に帰るという選択を考え始めていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.24 08:57:51
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