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カテゴリ:半生
その日はまた、僕の医師としてのキャリアを
全く否定するようなことを言ってもらった。 まさか真っ向から大恩ある師匠に反対意見を述べることもできないし、 もうその気力もないのだ。 辞めて故郷に帰ろう。 教授はこの施設に僕を受け入れないなら、 うちの脳外科ひきあげるとまでいってくれて、ここに就職させてくださったのに、 僕は本当に失礼なことをすることになる。 脳外科医はもう辞めるしかない。 そうだ! もう脳外科医でなくってもいいじゃないか。 他の仕事して細々やって行こう。 脳外科以外のことも大分やったし、なんとかなるさ。 そう思った。その時! ”いつか手伝ってくれよ” DrWのお言葉を思い出した! 折も折。研修医制度のあおりを受けて、大学は つぎつぎと小中規模の病院に派遣した医局員を引き揚げていた。 DrWの病院も脳外科医が一人(つまりDrW院長だけ)になっていた。 DrWにアポをとり、会見に行った。 ”ぜひ来て欲しい!! ” ”ただし、それは医局人事として。その件教授にお願いして欲しい” ”円満な形で転勤してきてほしい。” ・・・これがDrWの希望だった。 そう、大学に好んで逆らうわけにはいかないのだ。 僕としてもこんな勝手なこと、教授にお断りもなく するわけにもいかない。 さっそく教授にアポイントをとり、会いに行くことにした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.29 18:46:09
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