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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
大学にお願いにいった。
思えば大学の要請を断ったことが1回だけあった。 あれは、3次救急の施設から大学に返って来なさいの要請だった。 でも、それ以外はすべて大学のいうとおりにしてきた。 お願いするなんて、初めてのことだ。僕の性格や行動パターンをよく理解してくれていた前の教授はすでに退官。新しい教授へのお願いになる。 口上をPDAの上で練って、何回もリハーサルし申し上げた。原稿をそのままアップしておこう。 本日はお時間をいただき、ありがとうございました。今日は早急に故郷にかえしてほしいというぼくのわがままを聞いていただきたくて、参上いたしました。行ったばかりで何をいっているのかとお叱りを受けることを覚悟しています。しかし、今の精神状態では自分ももちませんし、患者さんやいっしょに働いているスタッフ、受け入れてくださった病院の方々にも迷惑がかかると思うんです。今後での身の振については、いろいろな人に相談しましたが、昔のオーベンDrWが、教授の許可されるなら、ぜひうちへきてほしいとおしゃってくれています。どうか教授のお力をもって、早急に移動を許可してください。 それは医局の人事からはずれるということになるよ、わかってるんだね と教授。 はい、残念ですが覚悟しています。 と 消えそうな声でやっと返事した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.01 09:18:32
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