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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
教授から色よい返事があるわけもなく、
無意味に日が過ぎていった。 病院の忘年会の日、師匠に会場外に呼び出され、会談した。 ”審査員を辞めろ。” またこの話だ。 それは絶対に受け入れられない。 人にはゆずれない仕事。今や僕のライフワークだ。 もう僕はメスを持てなくていい。 みんなが言うように、手術もとびきりうまいわけじゃなし。 だけど、この保険審査に関することは別だ。 芸術(手術)の才能がなくても、評論家はできるんだ! (評論家のみなさんすみません) 他のすべてを捨てても、この(審査の)仕事だけは守りたい。 その気持ちをわかってくださったら・・・ その後、すぐ僕は逃げるように会場を後にした。 なれない土地で夜道をとぼとぼ歩いていた。 師匠に恨みはなかった。 自分の師匠に対する無礼と、自分の未熟さを呪った。 新月のその夜、星がとても綺麗だったなあー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.04 21:26:27
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