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テーマ:あの日・あの時(104)
カテゴリ:半生
現在の病院に就職させていただいて3年が経過した。
この2007年の春 就任当時に手術させていただいた脳出血の患者さんが死亡した。 手術後は左の手足が不自由なものの、まずまず話もできていたし、反応も良かったが、その後は徐々に活動性が低下してゆき、肺や膀胱などの感染症をくりかえした。 最終的に尿路からと思われる感染症が悪化して、血圧が低下した。 今までは医局から大体3年ごとに就任先を決められていたし、6年近くいた病院は3時救急の超急性期病院だったから、手術した患者さんをその病院で長く見ることはなく、長くても6-10ヶ月でリハビリテーションを主とする病院に紹介をしていた。論文などでも主に手術の効果・転帰は3ヶ月から6ヶ月で語られることが多く、手術した患者さんが予想以上に良くなったりするととてもうれしかった。 一方で、同じ患者さんを長く見ると結局同じというデーターは教科書的には知っていた。 しかし、わかっていても自分の目の前で事実が進行すると、なんとも悲しいし、辛い。 最近のデータ(ミネソタ大学)で脳卒中後の患者さんは5年余りの間に半数以上が死亡し、94%もが再入院するとの発表も見られている。 脳の病気にならないようにする普段の生活習慣がとても大事であることを認識しつつ、発症してしまった患者さんが2度とひどい目に会わないように勤める毎日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.16 16:28:34
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