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あるDrの半生(反省)by ge5999

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2017.03.11
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カテゴリ:半生
いつもの手術をいつものように終了するのは難しい。同じ疾患だからといって全く同じではない。
簡単な手術では 説明も簡単だし 危険度も少ないからそのような説明をしている。
だから 何かあると悲劇的な結果をまねくことがある。
その日も慢性硬膜下血腫の手術を行った。内服の情報が全く欠けており調査を指示して
手術室搬入。
 局所麻酔の手術。 大きめの血腫なので
急に血腫を抜くと血圧がさがることがあり、十分に輸液(点滴で塩と水分を入れる)をいれながら、
少しづつ血腫を抜く方針ですすめた。血腫内圧は15cm水柱。
血腫を抜き始めると血圧が低下してきた。 
輸液を早めつつエホチール(交感神経α刺激剤)投与。
ま、いつもならこれで血圧は上がってくる。そのうちに輸液も入るし手術も終わる。
ところが 今回は全く効かない。幸いにして患者さんの血圧以外の状態はほとんど変わらないが、
このままではまずい。一体なにがおこったのか、焦った。
薬の詳細が帰ってきて 結構な高血圧で 利尿剤 Caブロッカー ARBほか
多めのαブロッカーが投与されていた。
簡単な手術と言って、患者さんをショック状態にするわけにはいかない。
幸い手術室には緊急時使用する薬がそろっているので、ドーパミンのシリンジ持続投与を指示。
輸液も多めに投与して血圧がまともになった。
患者さんは何事もなく 7日後に退院したが、
局所麻酔の時は麻酔科の先生は同伴しないので 術者がすべて管理する必要がある。
簡単な手術だからこそ落とし穴が待っている。
薬の情報はよほど急がない限り十分に集めて手術に臨む必要がある。





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Last updated  2017.03.11 13:51:02
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