救急病院のお手伝い(1989年冬)
4月から研修医になって9ヶ月が過ぎ、外の病院での仕事の総仕上げともいうべき市中救急病院での救急医療のお手伝い。お手伝いというのは、救急医療はあくまでも指導医の先生が主に行い、ぼくらは助手として患者さんにかかわっていくというシステムになっているからです。 脳卒中、心筋梗塞、虫垂炎、肺炎、膵炎、交通事故、ケンカ、リストカット、自殺未遂、急性アルコール中毒、ふぐ中毒などいろいろな症例に出会った。救急病院での注意点は、1:救急車で来た患者さんが必ずしも重症とは限らない(歩いて来て、救急室で待っているうちに悪くなる患者さんがいることに注意)。2:患者さんは、自分が急を要する患者でないことは救急で診察を受けるまでは解らない。(軽い症状でも受診しやすい雰囲気を作っておくことが大事、やさしく対応してこそプロというもの・・・できないこともあるけど)3:家族、本人の希望がある場合はよっぽどのことがない限り、施設で対応できる検査・処置をするように心がける。必要なら入院、紹介も考慮する。なお、救急病院のお手伝いは泊り込みで行われ、次の朝には大学病院の通常の仕事が僕らを待っていた。若いから持ちこたえられたのかなあと、しみじみ思う。最近の研修医の皆さんはこんな無茶なスケジュールで動いていないことを祈っている。